1989年に登録されたモーリタニアの世界遺産(自然遺産)で、首都ヌアクショットの北方、世界最大のサハラ砂漠が大西洋に接する場所に位置する。総面積は約1万4000km2で、半分は海で占められている。内陸からの強風によって砂漠から海へ大量の砂が運ばれ、干潮時には60kmも沖合へ続く浅瀬を形成している。広大な浅瀬には、チチュウカイモンクアザラシ、ウスイロイルカ、シワハイルカなどの海洋動物、さらに、オオフラミンゴ、オオソリハシシギ、モモイロペリカンなどの鳥類が生息する。また、北ヨーロッパやシベリア方面から700万羽の渡り鳥が飛来し、うち3分の1が越冬する。1982年、干潟の1万2000km2がラムサール条約に登録された。このように貴重な海洋生物の宝庫であることなどが評価され、世界遺産に登録された。◇英名はBanc d'Arguin National Park