バーナル石(読み)ばーなるせき(その他表記)bernalite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バーナル石」の意味・わかりやすい解説

バーナル石
ばーなるせき
bernalite

通常の地質条件では結晶化の非常におこりがたい水酸化第二鉄の結晶化したもの。化合物としてはごく普通に知られていたが、つねにコロイド状沈殿で化学式どおりのものは得られていなかった。博物館に保存されていたオーストラリアブロークン・ヒルのプロプリエタリーProprietary鉱山産の標本から、1993年新鉱物として発見された。針鉄鉱、コロナド鉱coronadite(PbMn8O16)などと共存する。自形正八面体に近い斜方立体、あるいはやや平らな錐(すい)面の発達した正方立体。命名イギリスの結晶学者バーナルJohn Desmond Bernal(1901―1971)にちなむ。

加藤 昭]


バーナル石(データノート)
ばーなるせきでーたのーと

バーナル石
 英名    bernalite
 化学式   Fe(OH)3
 少量成分  Pb,Zn,H2O,CO2
 結晶系   斜方(直方
 硬度    4
 比重    3.35
 色     暗灰緑~暗黄緑
 光沢    ガラス~金剛(新鮮時)
 条痕    林檎緑
 劈開    無
       (「劈開」の項目を参照)
 その他   厳密には化学式Fe(OH)3にnH2O(0<n<0.25)を加えるとする見解もある

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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