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水酸化鉄 すいさんかてつiron hydroxide

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

水酸化鉄
すいさんかてつ
iron hydroxide

(1) 水酸化鉄 (II) ,水酸化第一鉄  Fe(OH)2 。無色ないし淡緑色粉末結晶。 (2) 水酸化鉄 (III) ,水酸化第二鉄  Fe(OH)3 。天然には褐鉄鉱などとして産出する。赤ないし褐色粉末。 500℃で水を失い酸化鉄となる。水,アルコール不溶無機酸可溶。水の精製顔料触媒吸着剤などに使用される。鉄さびの主要成分の1つ。

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デジタル大辞泉の解説

すいさんか‐てつ〔スイサンクワ‐〕【水酸化鉄】

水酸化鉄(Ⅱ)。白色ないし淡緑色の粉末。空気中で容易に酸化され水酸化鉄(Ⅲ)になる。水酸化第一鉄。化学式Fe(OH)2
水酸化鉄(Ⅲ)。鉄(Ⅲ)塩の水溶液アンモニア塩化アンモニウムの混合液を加えて得られる。赤褐色の粉末。アルカリ性水溶液中でコロイド溶液になりやすい。水酸化第二鉄。化学式Fe(OH)3

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百科事典マイペディアの解説

水酸化鉄【すいさんかてつ】

(1)水酸化鉄(II)Fe(OH)2。比重3.40。鉄塩(II)水溶液に苛性アルカリを加えると得られる沈殿で,純粋なものはほとんど無色。ふつうは酸化されて緑〜褐色。
→関連項目脱硫

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世界大百科事典 第2版の解説

すいさんかてつ【水酸化鉄 iron hydroxide】

酸化数IIおよびIIIの鉄の水酸化物と,両方の酸化数の鉄を含む水酸化物とが知られている。
[水酸化鉄(II)]
 化学式Fe(OH)2。空気を断って鉄(II)塩溶液にアルカリを加えると得られる。白色ないし淡緑色粉末。比重3.40。六方晶系。結晶格子は層状のヨウ化カドミウム型で,Feは6個のOHにとりかこまれている。水溶液中では徐々に,空気中では速やかに酸化されて赤褐色の水酸化鉄(III)になる。水に難溶で,溶解度0.6mg/100g(20℃)。

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大辞林 第三版の解説

すいさんかてつ【水酸化鉄】

水酸化鉄(Ⅱ)。化学式 Fe(OH)2 空気を遮断した状態で鉄(Ⅱ)塩の水溶液をアルカリ性にすると生じる白色の結晶。還元性が強く、空気に触れると水酸化鉄(Ⅲ)に変化する。
水酸化鉄(Ⅲ)。化学式 Fe(OH)3 鉄(Ⅲ)塩の水溶液にアンモニアと塩化アンモニウムとの混合水溶液を加えると生じる褐色のゲル状沈殿物。実際には酸化水酸化鉄(Ⅲ) FeO(OH) と考えられる。水中でさびた鉄釘くぎなどの、さびの主成分。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

水酸化鉄
すいさんかてつ
iron hydroxide

鉄の水酸化物。二価鉄および三価鉄の水酸化物と、これらの混合水酸化物とがある。正式にこの名称でよべるのは酸化数の化合物、すなわち水酸化鉄()だけである。
(1)水酸化鉄() 鉄()塩の水溶液に、空気を断ってアルカリ金属水酸化物を加えると得られる。空気に触れると急速に暗緑色を経て黒色に変色する。この段階では鉄()と鉄()が共存しているが、さらに酸化が進むと赤褐色の酸化水酸化鉄()(通常、水酸化鉄()とよばれる)となる。水にはほとんど溶けないが、塩化アンモニウム水溶液や酸には溶ける。また、通常のアルカリ溶液には不溶であるが、濃水酸化ナトリウム溶液には[Fe(OH)42-イオンとなって溶ける。強い還元剤で、パラジウム触媒が存在すれば200℃で水を還元する。また硝酸塩をアンモニアに、ニトロベンゼンをアニリンに還元する。
(2)水酸化鉄() Fe2O3nH2O鉄()塩の水溶液にアンモニアまたはアルカリ金属水酸化物を作用させて得られる褐色の沈殿。含水量が一定せず、FeO(OH)を主成分とするものと考えられる。この化合物には生成条件によって少なくとも二つの変態が存在する。新鮮な沈殿は強酸の希薄溶液に溶けるだけでなく、熱濃アルカリ溶液にも溶ける。α(アルファ)形は黄色顔料などに用いられる。
(3)水酸化鉄()鉄() Fe3O4nH2O硫酸鉄()および硫酸鉄()の混合溶液にアルカリを加えるか、あるいは四酸化三鉄の塩酸溶液にアンモニア水を加えると得られる。黒色粉末。きわめて脱水されやすい。[鳥居泰男]

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