日本大百科全書(ニッポニカ) 「バーベナ」の意味・わかりやすい解説
バーベナ
ばーべな
[学] Verbena hybrida Voss.
クマツヅラ科(APG分類:クマツヅラ科)の半耐寒性多年草であるが、園芸上は秋・春播(ま)き一年草として扱う。亜熱帯、中南米原産。花容がサクラの花に似ることから、ビジョザクラ(美女桜)ともいうが、ビジョザクラの名は本来は母種であるフロギフロラ種V. phlogiflora Cham.につけられたもので、紛らわしい。花色は豊富で、各色の単色、および純白色の斑(ふ)のあるものなどがある。開花期は春から秋と長く、花壇や鉢植えなどで観賞する。吊(つ)り鉢にも多く利用する。
栽培は比較的容易であるが、発芽抑制物質が種皮にあるので、播種(はしゅ)するときに種子をよく水洗いし、7~8℃の冷蔵庫内で10日くらい処理すると、よく発芽する。発芽温度は20℃前後で、日当り、通風、排水のよい環境を好む。挿芽でもよく繁殖する。高温・乾燥の時期は、ハダニの発生に注意する。
[金子勝巳 2021年10月20日]