バーベナ(英語表記)Verbena

デジタル大辞泉 「バーベナ」の意味・読み・例文・類語

バーベナ(〈ラテン〉Verbena)

ビジョザクラ別名

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改訂新版 世界大百科事典 「バーベナ」の意味・わかりやすい解説

バーベナ
Verbena

クマツヅラ科クマツヅラVerbenaの植物の総称。この属は,中南米に多く,約200種ほどがある。一年草多年草もあり,花のきれいなものは観賞用に栽植され,また薬用になる種もある。園芸的には次のような種類が栽培される。(1)ビジョザクラ(美女桜V.hybrida Voss(=V.hortensis Vilm.)(英名(common)garden verbena)は,V.chamaedryfoliaV.phlogifloraV.incisaV.teneraなど南アメリカ産の種の交配から育成されたもので,春まき一年草として扱われる。形態は多様だが,一般によく分枝し,茎ははうようにして茂り茎頂に5裂する高杯(たかつき)状花を散房状に密につづる。花色は紅,桃,白,紫など豊富。春に種子をまき,花は夏~秋に咲く。(2)バーベナ・テネラV.tenera Spreng.は,ヒメビジョザクラネバリビジョザクラヒナビジョザクラとも呼ばれ,前種の親になった種の一つで,南アメリカ(ブラジルアルゼンチン原産の多年草。よく分枝して叢生(そうせい)し,高さ15~30cm。淡紫紅色の小花を散房状に咲かせ,白色花種もある。花期は初夏~秋。耐寒性がある。(3)バーベナ・ペルビアナV.peruviana(L.)Britt.は南アメリカの南部原産。茎は地をはいながら茂り,5~9月のころ鮮紅色の小花を散形状に咲かせて美しい。耐寒性はかなり高いが,性質は前種よりやや弱い。(4)シュッコン(宿根)バーベナV.rigida Spreng.(=V.venosa Gill.et Hook.)は,ブラジル,アルゼンチン原産の耐寒性多年草。高さ30~60cm,茎は四角形で直立し,根は多肉根状で横走する。6~10月に紫紅色の小花を,初め散形花序,後に穂状花序をなして咲かせる。

 一年草は4~5月に種子をまく。多年草では挿木によって殖やすことが多いが,シュッコンバーベナのように株分けで殖やせるものもある。排水がよく日当りのよい土地を好む。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「バーベナ」の意味・わかりやすい解説

バーベナ
ばーべな
[学] Verbena hybrida Voss.

クマツヅラ科(APG分類:クマツヅラ科)の半耐寒性多年草であるが、園芸上は秋・春播(ま)き一年草として扱う。亜熱帯、中南米原産。花容がサクラの花に似ることから、ビジョザクラ(美女桜)ともいうが、ビジョザクラの名は本来は母種であるフロギフロラ種V. phlogiflora Cham.につけられたもので、紛らわしい。花色は豊富で、各色の単色、および純白色の斑(ふ)のあるものなどがある。開花期は春から秋と長く、花壇鉢植えなどで観賞する。吊(つ)り鉢にも多く利用する。

 栽培は比較的容易であるが、発芽抑制物質が種皮にあるので、播種(はしゅ)するときに種子をよく水洗いし、7~8℃の冷蔵庫内で10日くらい処理すると、よく発芽する。発芽温度は20℃前後で、日当り、通風、排水のよい環境を好む。挿芽でもよく繁殖する。高温・乾燥の時期は、ハダニの発生に注意する。

[金子勝巳 2021年10月20日]


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百科事典マイペディア 「バーベナ」の意味・わかりやすい解説

バーベナ

ビジョザクラ(美女桜)とも。クマツヅラ科の多年草であるが,園芸的には一年草として扱われている。南米原産の数種を起源とする交雑種である。茎は横に広がり,のち起き上がって30cm内外の高さになる。葉は対生し,縁にあらい鋸歯(きょし)がある。春〜秋,茎頂に散形花序をつけ,サクラソウに似た花を多数開く。花色は赤,白,紫等,多くの園芸品種がある。花壇,鉢植に向き,実生(みしょう),さし芽でふやす。東京以北ではフレーム内で越冬。ほかに,草たけ1m以上になるサンジャクバーベナ,葉が線形羽状に裂け,全体に小型のヒメビジョザクラ(ネバリビジョザクラとも),穂状花序を散房状〜円錐状につけるシュッコンバーベナ等がある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バーベナ」の意味・わかりやすい解説

バーベナ

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世界大百科事典(旧版)内のバーベナの言及

【グローブ座】より

…1599年,テムズ川南岸に開場。リチャード・バーベッジが率いる内大臣一座(後に国王陛下一座と改称)の本拠として用いられたが,この劇団の一員であったシェークスピアの代表作が上演されたことで有名である。エリザベス朝の代表的な公衆劇場で,知的な観客を対象とする屋内の小規模な私設劇場と異なり,社会の諸階層が集まる大劇場であった。…

※「バーベナ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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