滑空(読み)カックウ

デジタル大辞泉 「滑空」の意味・読み・例文・類語

かっ‐くう〔クワツ‐〕【滑空】

[名](スル)
航空機のエンジン停止状態や遅い回転状態での飛行、また、グライダーによる飛行にみられる、地表に対してある傾斜で降下する飛行状態。空中滑走
空を滑るように飛行すること。鳥が広げた羽を動かさないで飛ぶことなど。
[類語]飛ぶ翔る飛行飛来飛翔天翔あまがけ高翔こうしょうする滑翔かっしょうする舞う舞い立つ舞い上がる舞い降りる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「滑空」の意味・読み・例文・類語

かっ‐くうクヮッ‥【滑空】

  1. 〘 名詞 〙
  2. グライダーを用いてする飛行。
  3. くうちゅうかっそう(空中滑走)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「滑空」の意味・わかりやすい解説

滑空(航空機)【かっくう】

グライダー動力を停止した飛行機空中を飛行している状態。水平線に対してある角度Φで機首下げ,機の重量の飛行方向の分力を推力として利用して前進する。cotΦは機の揚抗比に等しいから,揚抗比の大きいほどΦは小さくなり,同一高度から出発しても遠くまで滑空できる。角度Φを滑空角,水平滑空距離と高度の比を滑空比といい,滑空比は揚抗比に等しい。鳥類の滑空も原理的にはまったく同じ。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「滑空」の意味・わかりやすい解説

滑空
かっくう
gliding

飛行機や滑空機 (グライダー) がエンジン推力のない状態で,ゆるい角度で降下すること。降下してゆく飛行経路と地面とのなす角度を滑空角,前進する距離とその間に沈下する高度の比を滑空比,単位時間内の高度低下を沈下率 (または降下率) という。滑空比は性能のよいグライダーほど大きく,高性能のソアラーでは 40:1をこえる。すなわち高度 1000mから滑空を始めると 40kmの遠方まで飛ぶことができ,その間に上昇気流があれば再び高度をとって飛び続けることができる。 (→グライダー )

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の滑空の言及

【運動】より

…ハエなどは天井にさかさにとまった位置から瞬間的に飛びたつことができ,また長時間静止飛翔(ホバリング)をつづけることも可能である。ムササビやヒヨケザル,トビトカゲ,トビガエルなどは,翼に似た皮膜をもっており,これで滑空する。翼竜の仲間も滑空によって飛んでいたと考えられる。…

【グライダー】より

…滑空機とも呼ばれる。飛行機のように固定翼をもつが,推進のための動力はもたず,上昇気流を利用して上昇したり,長距離を滑空する航空機。…

【鳥類】より

…始祖鳥はカラスくらいの大きさで,その形態的特徴から推定すると,木に止まることができ,また翼の3本のつめとあしゆびを使って木の枝の上によじ登ることができた。しかし,現生の鳥のように自由に空を飛び回る能力がなかったことは明らかで,その飛行は木の上から下に滑空したり,羽ばたいて高いところに飛び上がることができた程度と考えられる。おそらくふだんは地上を歩いたり,枝から枝にとび移りながら生活し,主として昆虫類を捕食していたのであろう。…

【飛翔】より

…昆虫,鳥,コウモリなどの動物が行う飛翔には,さまざまな方法があるが,最も典型的なのは,はばたき飛行flapping flightであろう。そのほかにも,滑空glidingや空中停止飛行hovering(ホバリングともいう)などもよく見られる。はばたき運動はほとんどの飛翔動物に見られる。…

※「滑空」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android