パリ・オリンピック競技大会(読み)パリ・オリンピックきょうぎたいかい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

パリ・オリンピック競技大会
パリ・オリンピックきょうぎたいかい

フランスのパリを開催都市として行なわれた第2回オリンピック競技大会。1900年5月14日から 10月28日まで 5ヵ月以上にもわたって開催され,24ヵ国から約 1000人の選手が参加した。この大会は,1900年にパリで開催された国際博覧会に付随しての開催という位置づけだった。近代オリンピックを創始し国際オリンピック委員会 IOC設立に尽力したピエール・ド・クーベルタンの理想はフランス政府によってゆがめられ,運営面でもマーケティング面でも数多くの問題点が残る大会となった。陸上競技のなかには,平地でなく湿った草地で催される競技もあった。水泳競技セーヌ川で実施されたため,選手は川の流れによって異常に速いタイムで泳いだ。競技の日程も混乱し,観客や取材陣がほとんど不在のまま実施された競技もあった。ゴルフ,ラグビークリケットクロッケーなどの競技は,この大会でのみ実施された。アーチェリー,サッカー,ボート馬術競技などがこの大会から導入された。ヨットテニス,ゴルフで女性が初めて参加したが,IOC公認ではなかった。フランスは大会最多となる 100個以上のメダルを獲得した。アメリカ合衆国は陸上競技で抜群の強さをみせ,23種目で 17個の金メダルを獲得した。

パリ・オリンピック競技大会
パリ・オリンピックきょうぎたいかい

フランスのパリを開催都市として行なわれた第8回オリンピック競技大会。1924年5月4日から 7月27日まで開催され,44ヵ国から 100人以上の女子選手を含む 3000人以上の選手団が参加した。この大会は,近代オリンピック大会の祖ピエール・ド・クーベルタン敬意を表してパリで開催された。女子種目にフェンシングが加わった。射撃やヨットで種目が減ったため,競技数は減少した。小規模ながら競技場の近辺に初めて選手団の宿舎が立ち並び,オリンピック村が形成された。競技の結果は,アメリカ合衆国が 140種目中で金メダル 45個と圧勝した。大会の花形はアメリカの水泳選手ジョニー・ワイズミュラーで,金メダルを 3個獲得したうえ水球でも銅メダルを獲得した。陸上競技の長距離ではフィンランド勢が活躍し,パーボ・ヌルミとビレ・リトラを中心に 10種目で優勝,フィンランドは金メダル 14個を獲得した。また,この大会は 1981年にアカデミー賞作品賞を受賞した映画『炎のランナー』の舞台となった。この大会を最後に女子テニスは参加選手のアマチュア規程問題によりオリンピック競技からはずされることになった。日本選手では,レスリング内藤克俊が銅メダルを獲得した。

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