ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クーベルタン」の意味・わかりやすい解説
クーベルタン
Coubertin, Pierre, baron de
[没]1937.9.2. スイス,ジュネーブ
近代オリンピックの創始者として知られるフランスの教育家。貴族の家に生まれ,サンシールの陸軍幼年学校を 16歳で中退,のちイギリスでイギリスの教育におけるスポーツの重要性に共鳴し,その理念を母国に移入しようと志した。1875年から 7年間にわたって行なわれたドイツの考古学者 E.クルチウスの古代オリンピア遺跡(→オリュンピア)の発掘に触発され,オリュンピア競技会(→古代競技会)復活の構想を立てた。1892年パリ会議で復活構想を公表するが賛同を得られず,1894年には周到な準備のうえ再度各国に招請状を出し,ソルボンヌ大学で 9ヵ国の代表者によるパリ会議を開催した。同会議において,6月23日にオリンピック復活を決議し,国際オリンピック委員会 IOCを組織した。1896年第1回オリンピック競技大会をアテネで開催。IOC初代会長の座はギリシア人のディミトリウス・ビケラスに譲ったが,1896年から 1925年まで第2代会長を務めたほか,オリンピック標語を制定したり,オリンピック・シンボルを創案するなど,オリンピックの発展と運動の推進に一生を捧げた。(→オリンピック競技大会)
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