日本大百科全書(ニッポニカ) 「パリ・マッチ」の意味・わかりやすい解説
パリ・マッチ
ぱりまっち
Paris Match
フランスの代表的なグラフ週刊誌。1949年3月、スポーツ週刊誌『マッチ』Match(1926創刊)を刷新し、アメリカの写真週刊誌『ライフ』スタイルの新しい雑誌としてジャン・プルボーJean Prouvost(1885―1978)によって創刊された。その新鮮な感覚は多くの読者に親しまれ、ピーク時の59年には発行部数165万部にまで達した。その後しだいに下降線をたどるが、72年12月より、それまでの写真主体の構成から写真と本文とを両立させる紙面へと変更し、判型も通常の週刊誌に近い大きさに縮めるなどして危機に対処した。78年、株式の大部分を大手出版社フィリパッキに買い取られ、編集業務もその傘下に入り、その後はラギャルデール・グループLagardère Groupe傘下のアシェット・フィリパッキ・メディアHachette Filipacchi Médiasの所有となっている。1994年、大統領ミッテランの「隠し子」の写真を掲載し、権力者のプライバシーには立ち入らないというフランスのグラフ・ジャーナリズムの原則を破り、物議をかもした。
[矢野浩三郎]