ヒエロン(読み)ひえろん(その他表記)Hieron Ⅱ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒエロン」の意味・わかりやすい解説

ヒエロン(2世)
ひえろん
Hieron Ⅱ
(前306ころ―前215)

古代シラクサの王。紀元前275年将軍に選ばれ、前269年に北東シチリアを支配していたカンパニア人傭兵(ようへい)(マメルティニ)を破ったのち、シラクサ王となり、ゲロン子孫と称した。第一次ポエニ戦争のとき最初カルタゴと結んだが、前263年以降ローマの同盟者となった。強力な艦隊を保持し、またアルキメデス知恵を都市防御の改善に利用し、シラクサに富と繁栄の時代をもたらした。

[篠崎三男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「ヒエロン」の意味・わかりやすい解説

ヒエロン[1世]【ヒエロン】

シチリア島のシラクサの僭主(在位前478年―前467年)。僭主ゲロンの弟。ゲラおよびシラクサを支配。シモニデスピンダロスなどの詩人保護者としても有名

ヒエロン[2世]【ヒエロン】

シチリア島のシラクサの王(在位前269年―前215年)。ポエニ戦争で,初めカルタゴと結び,後にはローマ側についた。卓越した農業商業政策でシラクサに最後の繁栄期をもたらした。

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