ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シモニデス」の意味・わかりやすい解説
シモニデス
Simōnidēs
[没]前468頃.シチリア島,シラクサ/アクラガス
ギリシアの抒情詩人。バキュリデスの伯父。ギリシアで初めて報酬を取って歌を作った詩人といわれる。アテネのヒッパルコスの宮廷に招かれて客として滞在し,エピニキオン (競技祝勝歌) やディチュランボス (もろもろの祭祀の合唱歌) を作った。前 514年頃からテッサリアのスコパダイのもとにあったが,前 490年ペルシア戦争に際してアテネに帰り,マラトンの戦いに倒れた戦士の墓碑銘を書いたのをはじめ,ギリシア軍の数々の勲功をたたえる詩を作った。その後テミストクレスの友となり,前 480年の役にも愛国詩人として活躍し,テルモピュライに玉砕したスパルタ王レオニダスとその軍隊を称賛し,アルテミシオンでの勝利を神々に感謝した。前 476年頃シラクサのヒエロンの宮廷の客となった。作品は各種の合唱隊歌と墓碑銘のほかにエレゲイアもあったが,現存するのはきわめてわずかな抒情詩断片と,真偽のほどが必ずしも確かでない多くの墓碑銘を集めた『シモニデス集』だけである。
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