ヒメハギ(読み)ひめはぎ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒメハギ」の意味・わかりやすい解説

ヒメハギ
ひめはぎ / 姫萩
[学] Polygala japonica Houtt.

ヒメハギ科(APG分類:ヒメハギ科)の多年草。茎は基部から分枝して下方は地をはい、上方は斜上し、高さ10~30センチメートル、葉は短い柄があって互生し、長さ2~3センチメートル、光沢がある。4~7月、葉腋(ようえき)から総状花序を出し、紫色を帯びた花を数個開く。萼片(がくへん)は5枚、内側の2枚は花弁状になり、卵形で長さ5~7ミリメートル、紫色であるが、花期後に成長して緑色になる。花弁は長さ6~7ミリメートル、下部は合生し、先は房状になる。雄しべは8本、花糸は基部で合生する。蒴果(さくか)は扁平(へんぺい)で両側に翼がある。種子楕円(だえん)形で褐色、白毛および付属体がある。丘陵に生え、北海道から沖縄、および中国に分布する。名は、花形がハギに似ているが、より小さいことによる。古くは和遠志(わおんじ)と称し、根を薬用とした。

[小林純子 2019年11月20日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒメハギ」の意味・わかりやすい解説

ヒメハギ(姫萩)
ヒメハギ
Polygala japonica; milkwort

ヒメハギ科の常緑の多年草。アジアの温帯から熱帯に広く分布する。山野日当りのよい草地に普通にみられる。茎は硬くて細く,根もとから多数が束生して斜上し,花後に伸びて長くなる。葉は長さ1~2cmの卵形ないし長楕円形で光沢があり,短い柄がある。春から夏にかけて,葉腋から短い総状花序を出して紫色の花をつける。花は左右相称形で萼片は5枚あり側方の2枚は花弁状をしている。この2枚は初めは紫色であるが花後にやや大きくなり緑色になる。花弁は3枚あるが癒合していて,その基部は8本のおしべが癒着してつくる筒と合着する。果実は扁平な 蒴果。種子は楕円形で付属体があり白毛が生える。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android