ビタミンB12製剤及び葉酸製剤(読み)ビタミンビージュウニセイザイオヨビヨウサンセイザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 の解説

ビタミンB12製剤及び葉酸製剤

製品名
【ビタミンB12製剤】
《コバマミド製剤》
コバマミド(鶴原製薬)
ハイコバール(エーザイ
《メコバラミン製剤》
ノイメチコール(寿製薬)
コバラミン(共創未来ファーマ、杏林製薬、キョーリンリメディオ、沢井製薬、辰巳化学、鶴原製薬、東和薬品、日新製薬、日本ケミファニプロ、日本ジェネリック、陽進堂)
メコラミン(日新製薬)
メチコバイド(ダイト、扶桑薬品工業)
メチコバール(エーザイ)
レチコラン(東菱薬品工業、日医工)
葉酸製剤】
フォリアミン(武田薬品工業、日本製薬)

 ビタミンB12(コバラミン)はコバルトを含み、造血に関係するビタミンで、鮮やかな赤色をしています。


 葉酸はビタミンB群の一種で、文字どおり緑黄色野菜に多く含まれているビタミンです。ビタミンB12とよく似た生理作用をもっており、核酸や蛋白質たんぱくしつの代謝・造血などに重要な役割を果たしています。


 ビタミンB12は、毎日ふつうに食事をとっていれば、欠乏することはまずありません。


 しかし、先天的にビタミンB12吸収や体内での利用能力が低いために、大量のビタミンB12を必要とする遺伝的な病気があります。また、葉酸の欠乏は日本ではまれですが、アメリカではよくみられるビタミン欠乏症のひとつです。


 ビタミンB12や葉酸を十分に吸収できない原因があると、巨赤芽球性貧血きょせきがきゅうせいひんけつなどをおこします。


 こうした原因があっても、効率よく吸収できるようにした薬が、ビタミンB12製剤と葉酸製剤です。


 ビタミンB12製剤は、巨赤芽球性貧血及びそれに伴う神経障害妊娠に伴う貧血胃を切除した後の貧血肝臓障害に伴う貧血末梢神経炎症及び麻痺まひなどの治療に用いられます。


 メコバラミン製剤は、抗貧血作用のほかに、体内での蛋白質の利用を高め、神経組織を修復し、感覚機能や運動機能の障害を改善するはたらきがあります。


 葉酸製剤は、ビタミンB12製剤の補助に使う薬で、巨赤芽球性貧血の治療には、ビタミンB12製剤と葉酸製剤とを併用することが多くなります。


 そのほか、急性アルコール中毒肝臓の障害が原因となっている大赤血球性貧血再生不良性貧血顆粒球かりゅうきゅう減少症葉酸の欠乏による栄養性貧血妊娠に伴う貧血小児貧血抗けいれん剤や抗マラリア剤の服用が原因の貧血の治療にも用いられます。


①過敏症状発疹ほっしんかゆみなどのアレルギー症状)がおこることがあります。このような症状がおこったら服用を止め、すぐ医師に相談してください。


 食欲不振、吐き気、下痢といった胃腸症状がおこることがあるので、そのときは医師に相談してください。


葉酸製剤では、過敏症状(かゆみ、紅斑こうはんといったアレルギー症状)がおこることがあります。過敏症状がおこったら服用を止め、すぐ医師に相談してください。また、食欲不振・吐き気といった胃腸症状やむくみがおこることがあるので、その場合は医師に相談してください。


①いろいろな剤型がありますが、原則として食後に服用します。1日の回数、1回の服用量については、医師の指示を守ってください。


 長期にわたって、大量に服用しなければならない薬なので、定期的に肝機能などの検査を指示されることがあります。薬の効果や副作用のチェックのためにも欠かせない検査ですから、必ず受けてください。


②以前にこの薬を服用して過敏症状をおこしたことのある人は、原則として使用できません。あらかじめ、その旨を医師に報告してください。


③あらかじめ問診の際に、持病・アレルギーなどの体質・現在使用中の薬の有無を医師に報告するとともに、使用前に薬の効果と副作用について医師・薬剤師からよく説明を聞き、注意事項をきちんと守ってください。


④ほかの薬との併用によって副作用をおこしたり、薬の効果が変わるということはないのですが、現在あるいは最近まで、ほかの病気の治療のために服用していた薬がある場合には、事前に必ず医師に報告してください。

出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報

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