びり(読み)ビリ

デジタル大辞泉 「びり」の意味・読み・例文・類語

びり

いちばんあとの順位最下位。どんじり。「成績クラスびりだ」
人体しり
「酒を買って、―を切られると云ふ事があるでないか」〈伎・関取菖蒲𥿠〉
美人。また、女郎
人情を知っては、―の商売はまあ出来ねえかたちさ」〈洒・妓娼精子〉
[類語](1しんがりどんじりどんけつびりっけつ最後しりけつ最後尾末尾

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精選版 日本国語大辞典 「びり」の意味・読み・例文・類語

びり

  1. 〘 名詞 〙
  2. 順序・順番の最もおわりの位置。一番あと。最後尾。一番すえ。どんじり。
    1. [初出の実例]「びりも当らぬその隣へ、百両落ちて来た心地」(出典:歌舞伎・和布苅神事(1773)大詰)
    2. 「終(ビリ)から四番だったこと」(出典:お目出たき人(1911)〈武者小路実篤〉一〇)
  3. ( 形動 ) くだらないこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「びりな事を吐(ぬ)かすから」(出典:歌舞伎・四天王櫓礎(1810)四立)
  4. 人体の尻。
    1. [初出の実例]「酒を買って、びりを切られると云ふ事があるでないか」(出典:歌舞伎・関取菖蒲𥿠(1797)四幕)
  5. ( 尻の方のことの意で ) 男女の情交。情事。
    1. [初出の実例]「びっくりする程いい女だ。〈略〉大方びりにこだはるのであらう」(出典:歌舞伎・児雷也豪傑譚話(1852)三幕)
  6. ( 形動 ) 非常にみだらなこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「彼の人や、〈略〉甚だ淫泆(〈注〉ビリ)也」(出典:東京新繁昌記(1874‐76)〈服部誠一〉六)
  7. 娼婦。女郎。
    1. [初出の実例]「人情を知ってはびりの商売は、マア出来ねへかたちさ」(出典:洒落本・妓娼子(1818‐30)下)
  8. 人をののしっていう語。
    1. [初出の実例]「こりゃびりめ」(出典:浄瑠璃・傾城酒呑童子(1718)四)
  9. 美人。美妓明和一七六四‐七二)から寛政一七八九‐一八〇一)頃にかけて遊里で流行した語。
    1. [初出の実例]「びりはびりじゃが、よもやあいつじゃ有るまい」(出典:浄瑠璃・関取二代勝負附(1768))
  10. みつぼ博打で「二」のこと。一説に、「七」。また、三個の賽(さい)の目の合計が七・一二・一七となったときの称。
    1. [初出の実例]「三つぼはただびり・しく・はち・とふなどといふことばありて」(出典:随筆・独寝(1724頃)下)

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