翻訳|pizza
イタリア料理のパイ。ピザ,ピザパイともいう。小麦粉に,水と少量の油,塩,イースト菌を加えて,十分に練りこんで滑らかな生地を作り,室温25~30℃の暖かい場所に1~2時間おいて発酵させる。所定の時間がたつとピッツァの生地は約2倍の量にふくれる。これをパイ皿または天板いっぱいに薄く広げ,周囲を多少,指先で押し広げて縁飾をつける。ピッツァソースはオリーブ油またはサラダ油を熱して,ニンニク,アンチョビー,湯むきトマトを加えて煮こみ,それをいったん冷ましてからオレガノ,パセリ,塩,コショウを加えて調味したもので,ピッツァの基本形であるナポリ風ピッツァは,生地にこのソースを塗り,小さなダイス状に切ったモッツァレッラチーズを散らして,250℃前後のオーブンで速やかに焼きあげる。生地の上に飾る具によっていろいろな名前がつけられる。もともとピッツァはナポリを中心とするカンパニア地方の郷土料理であったが,19世紀末から20世紀にかけて,アメリカに移民した農民の日常食として定着し,第2次大戦後はアメリカを経由して日本にも入ってきた。1970年代以降,ファーストフードのひとつとして各国に広まった。
執筆者:木戸 星哲
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
日本ではピザともよばれるが、イタリア語の原音に忠実に表記すればピッツァとなる。語源は不明。代表的なナポリ風ピッツァは、小麦粉、生(なま)イースト、塩、砂糖、オリーブ油などを練って生地(きじ)をつくり、生地の上にトマトソースを塗り、オレガノ、モッツァレラチーズ、アンチョビーをのせ、皮と種(たね)を除いたトマトを散らし、オリーブ油をかけて天火で焼いたもの。いちばん具の少ないのは水夫風ピッツァで、オレガノとトマトソースをかけただけのもの。もっとも具の多いのは四季のピッツァで、アサリ、ムール貝、ゆでたタコとイカ、アンチョビー、ハム、サラミ、マッシュルーム、黒オリーブ、アーティチョークなどから、色合いを考えながら4種類を選んでのせたものである。
もともとは中・南部イタリアの食物であるが、いまではイタリア全土はもとより世界中に普及している。ピッツァはイタリアでは、ピッツェリーアとよばれるピッツァ屋で単品で食べる庶民的な食べ物で、普通のレストランでは出さない。
[西村暢夫]
『V・ブォナッシージ著『ピッツァ大事典』(1984・小学館)』
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…17~18世紀と推定されるトマトソースの出現で,乾燥パスタ料理は急速に中部・北部へと普及していった。トマトソースはまたピッツァの普及にも大きく貢献している。ピッツァがいつごろ,どのように作られたのかは仮説の域を出ていないが,トマトをパセリ,アンチョビー,オリーブ油で煮こんでオレガノを加えたいわゆるピッツァソースがピッツァに塗られ,モッツァレッラチーズ(水牛の乳でつくるチーズ)をその上に散らした〈ナポリ風ピッツァ〉は,イタリア南部,ことにカンパニア州の州民の心をとらえた。…
…パスタはスパゲッティ,マカロニをはじめカネロニ,ラザーニャ,ラビオリなどさまざまな大きさや形のものが100種類以上あるといわれる。パンと同じイースト生地を薄くのばして好みの材料をのせ,チーズをちらしてオーブンで焼き上げるピッツァや,米をだしで固めの粥状に煮込むリゾットrisottoも有名である。(3)スペイン料理,ポルトガル料理 古来,多民族と接触のあったスペインの料理には,変化に富む気候風土も手伝って,地方色が色濃くあらわれている。…
※「ピッツァ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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