日本大百科全書(ニッポニカ) 「ピッツァ」の意味・わかりやすい解説
ピッツァ
ぴっつぁ
pizza イタリア語
日本ではピザともよばれるが、イタリア語の原音に忠実に表記すればピッツァとなる。語源は不明。代表的なナポリ風ピッツァは、小麦粉、生(なま)イースト、塩、砂糖、オリーブ油などを練って生地(きじ)をつくり、生地の上にトマトソースを塗り、オレガノ、モッツァレラチーズ、アンチョビーをのせ、皮と種(たね)を除いたトマトを散らし、オリーブ油をかけて天火で焼いたもの。いちばん具の少ないのは水夫風ピッツァで、オレガノとトマトソースをかけただけのもの。もっとも具の多いのは四季のピッツァで、アサリ、ムール貝、ゆでたタコとイカ、アンチョビー、ハム、サラミ、マッシュルーム、黒オリーブ、アーティチョークなどから、色合いを考えながら4種類を選んでのせたものである。
もともとは中・南部イタリアの食物であるが、いまではイタリア全土はもとより世界中に普及している。ピッツァはイタリアでは、ピッツェリーアとよばれるピッツァ屋で単品で食べる庶民的な食べ物で、普通のレストランでは出さない。
[西村暢夫]
『V・ブォナッシージ著『ピッツァ大事典』(1984・小学館)』