オレガノ(読み)おれがの(英語表記)common marjoram

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オレガノ」の意味・わかりやすい解説

オレガノ
おれがの
common marjoram
oregano
[学] Origanum vulgare L.

シソ科(APG分類:シソ科)の多年草。よく似た同属のマヨラナマージョラムマジョラム)と同じく和名ハナハッカ。高さ30~60センチメートル、葉は長さ1.5センチメートルほどでよい香りと快い苦味(にがみ)をもつ。花は直径4ミリメートルの唇形で、紫を帯びた淡紅色。花は7~10月、茎の先に穂状に開く。ヨーロッパから西アジアの原産で、日本へは江戸末期に渡来した。ハーブとして多くの用途があるため、地中海沿岸諸国のほかアメリカでも広く栽培する。花期に全草を刈り取り、乾燥して保存する。

[星川清親 2021年8月20日]

 葉を乾燥させたものを香辛料として使う。樟脳(しょうのう)に似た芳香辛味とほろ苦味はトマトととてもよくあうので、トマトを使ったイタリア料理、とくにピッツァには欠かせない香辛料である。スパゲッティミートソースナポリタン)、オムレツビーフシチューマトンやラム肉の料理、トマトジュースにもよく使われる。フランス料理の基本といわれる多くのソースも、このオレガノを主体とした古代ローマ時代のソースの発展した姿であるといわれる。

[齋藤 浩 2021年8月20日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オレガノ」の意味・わかりやすい解説

オレガノ
Origanum vulgare; oregano; wild marjoram

シソ科ハナハッカ属の多年草で,ハナハッカの和名をもつハーブ一種。地中海沿岸を中心に,中央アジア,中国まで広く分布し,おもに乾燥させた葉が,イタリア料理やスペイン料理の香辛料として使われる。煎じて解熱利尿に利用されることもある。卵形の葉は対生し,白色または桃色の小さな花を枝先に多数密集させる。花の咲く直前初夏の頃が,最も葉の香りがよいとされている。春に種をまき,日当たりと水はけのよい環境で育てる。高温多湿に弱いので,梅雨どきには整枝して蒸れないように管理する。

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