ピーリーレイス(その他表記)Pīrī Reis

改訂新版 世界大百科事典 「ピーリーレイス」の意味・わかりやすい解説

ピーリー・レイス
Pīrī Reis
生没年:?-1550

16世紀のオスマン帝国提督。ダーダネルス海峡入口に近いゲリボルの生れ。直接・間接海洋や沿海陸地探索にあたり,実地に役立つ著名な海洋案内書《海事の書Kitāb-i Bahrīye》を作成した。とりわけ新大陸の海洋,陸地,島々に関する最古地図作成者として知られる。アメリカに関する地図は時のスルタン,スレイマン1世に献上されたもので,長らく所在不明であったが,1929年になって偶然トプカプ宮殿一室で発見された。
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関連語 三橋

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピーリーレイス」の意味・わかりやすい解説

ピーリー・レイス
Pîrî Reis, Ahmet Muhiddin

[生]? アゲリボル
[没]1554. カイロ
オスマン帝国の海軍提督。若い頃から叔父ケマル・レイスとともに船乗りとして地中海修業。 1500年モレアの海戦では司令官となり,レイスの称号が与えられた。その後アラビア海,ペルシア湾方面で数々の戦功をあげたが,晩年艦艇損失の罪を問われ刑死した。スレイマン1世に献上した『キターブ・バフリエ (海事の書) 』 Kitâb-ı Bahriyeは十五,六世紀の地中海に関する最良の地誌として有名。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ピーリーレイス」の解説

ピーリー・レイス
Pīrī Reis

?~1554

オスマン海軍の提督。海洋学,天文学,語学に優れ,七つの海を紹介し,エーゲ海,地中海の詳細な海図を収めた『海洋の書』をスレイマン1世に献呈した。彼の世界地図新世界(新大陸)を記した現存する最古のものとして知られている。

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