ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スレイマン1世」の意味・わかりやすい解説
スレイマン1世
スレイマンいっせい
Süleyman I
[没]1566.9.5/6. シゲトバール
オスマン帝国第 10代スルタン (在位 1520~66) 。セリム1世の子。母はクリム・ハンの息女ハフサ。父の在位中は小アジア西部のサンジャク・ベイ職にあった。スレイマンの治世中,帝国は絶頂期を迎え,東はイラン国境,西はウィーン近くまで領土を拡大し,北アフリカのアルジェリア,南アラビアのイエメンを含む大帝国となった。彼はウィーン包囲 (29) を含めて,前後 13回に及ぶ親征を企て,モハーチの戦い (26) でハンガリーを征服し,プレベザの海戦 (38) で地中海の制海権を握った。国内では戦利品の流入で商工業が発達したが,1535年フランスにカピチュレーション (通商特権) を与え,将来に災いの種をまいた。カーヌーニー (立法者) と呼ばれたように大法典を集大成し,諸般の制度,機構を整備した。
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