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イタリアの作曲家、チェロ奏者。コントラバス奏者を父に2月19日ルッカに生まれる。14歳から数年ウィーン宮廷楽団でチェロを弾いたのち、パリなどに演奏旅行し、1768年からは終生スペインに住んだ。70~85年カルロス3世の弟ドン・ルイス王子の宮廷作曲家。王子の死後、87~97年プロシア王の宮廷作曲家。しかしベルリンには住まず、マドリードから作品を送った。晩年は一時ナポレオンの弟リュシアン・ボナパルトの保護を受けたが、不遇のうちに1805年5月28日マドリードで没した。作風は、「ハイドンの妻」と評されたように、繊細・優美で旋律美に富み、またスペイン風のリズムや旋律が古典派音楽としては異彩を放っている。室内楽を得意とし、自ら創始した弦楽五重奏曲125曲、および弦楽四重奏曲91曲、弦楽三重奏曲48曲などは、生前ハイドンに匹敵する人気を得ていた。ほかに、チェロ協奏曲11曲、交響曲29曲などがある。有名な「ボッケリーニのメヌエット」は、弦楽五重奏曲ホ長調作品11の五(1771)の第三楽章である。
[大久保一]
イタリアの古典派を代表する音楽家。1769年以後はマドリードに住んで王弟ドン・ルイスに仕え,主君の死後はベルリンのフリードリヒ・ウィルヘルム2世や貴族たちの援助を受けた。広い領域にわたる作品を残したが,チェロ奏者兼作曲家として,古典派室内楽曲様式の発展・完成に貢献した。とくに弦楽四重奏曲ではモーツァルト,ハイドン,ベートーベンと並ぶ大家である。また,2台のチェロを用いた弦楽五重奏曲,ピアノ五重奏曲,弦楽六重奏曲などにも佳作を残した。
執筆者:岸本 宏子
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