(西田宗千佳 フリージャーナリスト / 2008年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
携帯電話などの移動体通信システムにおける、超小型の基地局および基地局がカバーするきわめて狭い通信エリア。基地局とは、移動端末と通信するために地上に設置される移動しない無線局のことで、交信できる範囲が通信エリアになる。携帯電話システムでは、それぞれの基地局がカバーする通信エリアを「細胞」を意味するセル(cell)とよび、複数のセルを組み合わせることで通信圏を構成する。一般的な基地局は、半径数百メートルから数十キロメートル程度の範囲をカバーし、その範囲の大きさにより、マクロセル、マイクロセル、ナノセル、ピコセルなどとよんでいる。フェムトセルは、セルの半径が数メートルから数十メートルのものをさす。フェムトとは、国際単位系(SI)で定められている単位を表す接頭語で、本来は10のマイナス15乗(1000兆分の1)を表しているが、この場合は「微小」や「極小」という意味で使われている。
広範囲をカバーする屋外の基地局にはアンテナや鉄塔、交換機などの装置が必要であるため、設置場所が限定される。また、ビルの谷間や高層階、屋内、地下など、電波が微弱になるエリアや、届かないエリアができるケースもある。フェムトセルは、それを補完するために住宅やオフィス、店舗といった屋内施設に設置されることが多い。この場合、バックボーン(基幹回線)となる有線部分は光ファイバーやケーブルテレビなどの一般的なブロードバンド回線を利用するため、新たな設備投資や維持費などのコスト削減にもつながる。2013年(平成25)4月時点で、NTTドコモ、ソフトバンクモバイル、KDDI(au)の各キャリアで、フェムトセルによるサービスを提供している。
[編集部]
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