ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フェルディナント3世」の意味・わかりやすい解説
フェルディナント3世
フェルディナントさんせい
Ferdinand III
[没]1657.4.2. ウィーン
ハンガリー王 (在位 1625~56) ,ボヘミア王 (在位 27~56) ,神聖ローマ皇帝 (在位 37~57) 。ハプスブルク家出身。皇帝フェルディナント2世の長男。父から 1625年ハンガリー王,次いで 27年ボヘミア王を継承。 37年神聖ローマ皇帝に即位。皇帝即位前からすでに政治,軍事に参画し,A.ワレンシュタインを失脚させるのにも貢献した。スウェーデンとの戦いにも勝ち,35年プラハ条約を成立させて諸侯とも和解し,父帝フェルディナント2世の中央集権主義的絶対主義の路線を緩和させた。カトリックを強固に信奉する点では父帝に劣らなかったが,政治的目的達成のために宗教問題で妥協するすべは心得ており,三十年戦争を終結させるために努力した。 49年にオーストリア常備軍を創設した功績も見逃せない。
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