改訂新版 世界大百科事典 「フシダニ」の意味・わかりやすい解説
フシダニ
フシダニ科Eriophyidaeに属するダニの総称。体型はうじむし状。微小なダニで,体長は成虫で0.2mm内外。体色は乳白色,淡黄色,橙色など種々である。脚は2対だけで短く,末端には羽毛状の付属物(羽毛づめ)がある。体の大部分には多数のリング(擬体節)がある。体毛の中で後端部の1対は長大で,むち状。種によっては雌成虫に2型がある。植物寄生性のダニ類で,農作物の害虫も少なくない。しばしば,植物の寄生部位に顕著な変形物(虫こぶ,ふし)をつくる。フシダニは植物ウイルスの伝播(でんぱ)者でもある。ミカンサビダニAculops pelekassiは日本のかんきつ類の主要害虫の一つで,葉や果実に寄生。クリフシダニEriophyes japonicusはクリの葉に寄生し,まるい虫こぶをつくる。
執筆者:江原 昭三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報