チェコの短編・中編作家。50歳直前になって処女作『底にある真珠』(1963)が出版されるという独特な道をたどって登場した作家で、それ以後『鋭く看視されている列車』(1965)をはじめ、次々と問題作を発表し、人気作家となった。1968年のチェコ事件以後、反体制を貫き、しかも作品を発表している作家で、70年中ごろから、『剃髪(ていはつ)』(1976)、『マツユキソウの祝祭』(1978)、『美哀』(1979)と発表しているが、もっとも評価の高い『あまりにも騒がしい孤独』『私はいかにして英国王に仕えたか』は地下出版ないし西側でしか出版されていなかったが、90年にチェコでも出版された。悲喜劇的作家から哲学的作風を経て、メランコリックな作風へと転じた。
[千野栄一]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
ローマ法王ともいう。ラテン語 Papaの称号はカトリック教会首長としてのローマ司教 (教皇) 以外の司教らにも適用されていたが,1073年以後教皇専用となった。使徒ペテロの後継者としてキリスト自身の定...