フラバル(読み)ふらばる(英語表記)Bohumil Hrabal

デジタル大辞泉 「フラバル」の意味・読み・例文・類語

フラバル(Bohumil Hrabal)

[1914~1997]チェコ小説家。ブルノ生まれ。共産党政権下で検閲に抗しながら、次々と問題作を書いたことで知られる。代表作厳重に監視された列車」「私は英国王に給仕した」「あまりにも騒がしい孤独」など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「フラバル」の意味・わかりやすい解説

フラバル
ふらばる
Bohumil Hrabal
(1914―1997)

チェコの短編・中編作家。50歳直前になって処女作『底にある真珠』(1963)が出版されるという独特な道をたどって登場した作家で、それ以後『鋭く看視されている列車』(1965)をはじめ、次々と問題作を発表し、人気作家となった。1968年のチェコ事件以後、反体制を貫き、しかも作品を発表している作家で、70年中ごろから、『剃髪(ていはつ)』(1976)、『マツユキソウの祝祭』(1978)、『美哀』(1979)と発表しているが、もっとも評価の高い『あまりにも騒がしい孤独』『私はいかにして英国王に仕えたか』は地下出版ないし西側でしか出版されていなかったが、90年にチェコでも出版された。悲喜劇的作家から哲学的作風を経て、メランコリックな作風へと転じた。

千野栄一

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百科事典マイペディア 「フラバル」の意味・わかりやすい解説

フラバル

チェコの作家。スターリン時代には作品出版がかなわず,自由化のはじまる1963年にようやく,短編集《海底の真珠》で脚光を浴びる。その後次々と傑作,問題作を発表し,1970年代チェコ文学を支えた。代表作は《私は英国王に給仕した》(1974年),《あまりに騒がしい孤独》(1977年)など。《厳戒下の列車》(1965年),《鎖につながれたヒバリ》(1970年)など映画化された作品も多い。

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