デジタル大辞泉
「フーコーの振り子」の意味・読み・例文・類語
フーコーのふりこ【フーコーの振り子】
《原題、〈イタリア〉Il pendolo di Foucault》イタリアの記号論学者・小説家、エーコの長編ミステリー小説。1988年刊行。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
Sponserd by 
フーコーの振り子
ふーこーのふりこ
Foucault's pendulum
フランスの実験物理学者J・B・L・フーコーが1851年に考案した振り子で、地球の自転が単振り子の振動面に与える影響力を調べる装置である。鉛直面内で単振動をする振り子では、振動面に垂直な方向には力が働かないので、振動面が時間とともに変化することはない。これは慣性の法則によって当然であるが、実際は地球上で単振り子を長時間にわたって運動を持続させながら観測すると、この振動面が変わっていくことがわかる。
フーコーは67メートルの紐(ひも)の先端に28キログラムのおもりをつけ、これを約半日にわたって観測した。すると、この単振り子の振動面は、実験室で上から見て時計の針が回る向きに回転していった。これは北半球での実験だからであり、北極の上で実験すれば、この振動面は1日で完全に1周することになる。振動面は慣性の法則によって、つねに一定に保たれているが、地球自身が運動しているから、実験室も地球に固定されて運動するので、見かけ上、振動面が回転していくようにみえるわけである。
[大槻義彦]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
Sponserd by 
フーコーの振り子
フーコーのふりこ
Foucault's pendulum
地球の自転を実証するために用いられる非常に長い単振り子。単振り子の鉛直な振動面は慣性系に対し固定しているため,地球上で長時間にわたって振らせておくと,振り子を支える地球の自転のために,振動面が自転の向きと逆回りに回転する。この回転の向きは,北半球では上から見て時計回り,南半球では時計と反対回りである。回転周期は南極と北極では 24時間,緯度βの点では 24/ sin β 時間となる。 1851年 J.-B.-L.フーコーはパリのパンテオンの高天井から長さ 67m の鉄線に質量 28kg の鉄球をつるした振り子を振らせて公開実験し,予想どおりの振動面の回転を得て,実験室での実験としては初めて地球の自転の証明に成功した。各地の科学博物館などでフーコーの振り子実験が見かけられる。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
Sponserd by 
法則の辞典
「フーコーの振り子」の解説
フーコーの振り子【Foucault pendulum】
単振子の振動面に対する地球自転の影響を調べるために用いられる大型の振り子.振動が減衰しないように長い針金に重い錘を下げて振らせると,コリオリ後からの作用で北半球ではその振動面が鉛直軸の周りに見かけ上時計の針の方向に回転する.観測点の緯度が λ だとすると,1時間当たりの回転角はsin λ ×15° に等しい.
出典 朝倉書店法則の辞典について 情報
Sponserd by 