日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブザンソン」の意味・わかりやすい解説
ブザンソン
ぶざんそん
Besançon
フランス東部、フランシュ・コンテ地方の中心都市で、ドゥー県の県都。パリ南東393キロメートル、ドゥー川沿いに位置する。人口11万7733(1999)、11万6676(2015センサス)。旧市街はドゥー川の曲流部に囲まれた岩山上の絶景地を占め、フランスの軍事技術者ボーバンの築いた城塞(じょうさい)に守られている。ガリアの主要都市でブゾンチオVesontioと称したが、カエサル(シーザー)に征服された。12世紀に神聖ローマ帝国直轄領となるが、ルイ14世時代の1674年にフランスに併合、フランシュ・コンテの首都となった。16世紀のグランベル宮殿、ロマネスク、ゴシック、バロック様式共存のサン・ジャン寺院のほか、美術館、天文時計がある。工業は盛んで、時計、精密機械、化学繊維、既製服、モロッコ皮、食料品、印刷の諸工業が営まれる。作家ビクトル・ユゴーの生誕地。1951年以来、指揮者のコンクール(ブザンソン・コンクール)開催地ともなっている。
[大嶽幸彦]