ブチサンショウウオ(読み)ぶちさんしょううお

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブチサンショウウオ」の意味・わかりやすい解説

ブチサンショウウオ
ぶちさんしょううお / 斑山椒魚
[学] Hynobius naevius

両生綱有尾目サンショウウオ科の動物。三重県および滋賀県以西の本州四国、九州に分布背面は紫を帯びた黒色で、白色または黄色斑紋(はんもん)があるが、斑紋の変異は大きい。腹面はやや淡色で不規則斑がある。全長8~13センチメートル。山林内で生活し、3、4月に源流付近の石の下に産卵する。卵は黄白色で径約5ミリメートル。卵数15個内外。幼生は流水中で生活し、翌年に変態する。

[倉本 満]

 2022年(令和4)、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(種の保存法)で特定第二種国内希少野生動植物種に指定され、販売や頒布を目的とした捕獲や譲渡などは原則禁止されている。

[編集部 2023年4月20日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブチサンショウウオ」の意味・わかりやすい解説

ブチサンショウウオ
Hynobius naevius

サンショウウオ目サンショウウオ科。体長8~14cm。暗褐色の体に白っぽい斑点を散布する。四肢は短く,尾は円筒状で先端鈍い。流水性のサンショウウオの代表種で,産卵は日陰渓流石下などで行われ,曲った紐状卵嚢が1対ずつ産みつけられる。幼生は爪をもつ場合がある。本州南西部,四国および九州に分布する。

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世界大百科事典(旧版)内のブチサンショウウオの言及

【カスミサンショウウオ】より

…北海道にはエゾサンショウウオH.retardatusが分布し,全長14~19cmでやや大きい。ブチサンショウウオH.naevius(約13cm)は分布域がカスミサンショウウオと重なるが,山地に多く産卵も渓流で行う。幼生は緩やかな流水で育つ。…

※「ブチサンショウウオ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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