偶蹄目ウシ科の哺乳類。雄の体色が,背側の黒褐色と腹側の白色に明りょうにわかれて,美しいコントラストを見せるインドとパキスタン産のアンテロープ。目の周囲と臀部(でんぶ)も白色。雄はまた,緩やかにらせん状によじれた長さ49~69cmのみごとな角をもつ。雌の体色は黄褐色で,角はない。体長100~150cm,肩高60~85cm,尾長10~18cm,体重25~45kg。草原やまばらに木の生える林に5~50頭の群れですむ。群れは雄1頭と雌およびその子からなり,雄は雌を奪おうとする他の雄としばしば争う。この際,雄は角を誇示することによって相手を威嚇し,多くはこれで勝敗が決まる。暑い日中を避けて朝方と夕方に,おもに草を採食する。群れの結束はかたく,例えば,危険を察知した群れのメンバーは,四肢をそろえて垂直に上方に飛び上がる運動を繰り返し,仲間に知らせる。この運動は仲間に次々と伝わり,ついには群れ全体が一致して走り始める。繁殖期は一定せず,雌の妊娠期間は約6ヵ月。1産1~2子である。
執筆者:今泉 吉晴
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科の動物。インドレイヨウともいう。インド半島に分布し、開けた草原にある低木林に生息する。肩高70~85センチメートル、体重36キログラム。角(つの)は雄だけにあり、長さ45~70センチメートルで、細長くねじれる。体色は性や年齢によって異なり、体上面は雄で暗黒色、雌や幼獣は黄褐色を帯びる。普通、20~30頭の群れで生活し、群れには1頭の雄成獣がいるが、リーダーは老雌といわれる。日中は日陰で休み、朝夕におもに草を食べる。交尾期は2~3月で、妊娠期間約180日ののち、1産1~2子を産む。子は栗(くり)色であるが、雄は3年で黒くなる。2~3年で性的に成熟し、寿命は15年ほどである。
[今泉忠明]
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…雄は11歳を過ぎるころから背から腰にかけての毛が白くなってくる。この変化は,雄をおとなとそれより若い個体とに区別するうえで確実な手がかりになり,おとなの雄はシルバーバック(銀色の背中),まだ背が白くなっていない青年の雄はブラックバックと呼ばれる。 ゴリラは昼行性で,活発な活動のほとんどは日中に行う。…
…多くは砂色で,アフリカとアジアに分布する。インド産で雄の体が黒いブラックバックAntilope cervicapra,警戒,逃走,遊びのときに高く跳びはねる習性をもつスプリングボックAntidorcas marsupialis,中央アジア産で時速96kmで走れるモウコガゼルProcapra gutturosa,多くの肉食獣にねらわれるグラントガゼルGazella granti,非常に警戒心が強く,やぶの中で生活するディバタグAmmodorcas clarkei,あごが長く,しばしば後肢で立ち上がって高いところの葉を食べるジェレヌクLitocranius walleriなど6属18種がある。(7)ダイカー亜科Cephalophinae きわめて小型で,角はふつう雌雄にあるが耳よりも短く,頭頂の冠毛でほとんど隠れている。…
…多くは砂色で,アフリカとアジアに分布する。インド産で雄の体が黒いブラックバックAntilope cervicapra,警戒,逃走,遊びのときに高く跳びはねる習性をもつスプリングボックAntidorcas marsupialis,中央アジア産で時速96kmで走れるモウコガゼルProcapra gutturosa,多くの肉食獣にねらわれるグラントガゼルGazella granti,非常に警戒心が強く,やぶの中で生活するディバタグAmmodorcas clarkei,あごが長く,しばしば後肢で立ち上がって高いところの葉を食べるジェレヌクLitocranius walleriなど6属18種がある。(7)ダイカー亜科Cephalophinae きわめて小型で,角はふつう雌雄にあるが耳よりも短く,頭頂の冠毛でほとんど隠れている。…
※「ブラックバック」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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