デジタル大辞泉
「回心」の意味・読み・例文・類語
え‐しん〔ヱ‐〕【回心/×廻心】
[名](スル)仏語。心を改め、正しい仏の道に入ること。改心。
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え‐しんヱ‥【回心・廻心】
- 〘 名詞 〙 仏語。仏の教えによって、悪い心を悔い改め、正しい道にはいること。改心。
- [初出の実例]「合掌帰二依仏一、廻心学二習禅一」(出典:菅家後集(903頃)叙意一百韻)
- 「十悪五逆廻心すれば往生をとぐ」(出典:平家物語(13C前)一〇)
かい‐しんクヮイ‥【回心・廻心】
- 〘 名詞 〙 キリスト教で、宗教的思想や態度の明らかな変化を伴った信仰的成長。キリストによる罪のゆるしと、洗礼とによって起こる心の大きな転換。→えしん。
- [初出の実例]「いづれも道理を説のみにして、廻心すべきにあらざるを以て」(出典:異人恐怖伝(1850)下)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「回心」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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回心 (えしん)
漢語として元来,世俗的雑事,私的雑念にとらわれた心を改めて,本来あるべき道に帰向する心をもつようになることを意味したが,仏教語として声聞縁覚(しようもんえんがく)の小乗的な心を改めて大乗の仏道に向かう心をもつようになること,さらには懺悔して仏道に帰入することを意味するに至った。廻心とも書く。インド仏教においては同様な宗教体験が〈信解〉〈転依〉などの語によって表現されていたと考えられる。現代語においてはキリスト教的な回心(かいしん)conversionの意味で用いられることが多い。
執筆者:荒牧 典俊
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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回心(かいしん)
かいしん
conversion
「えしん」ともいう。既往の価値観が崩れ、まったく新しい価値の誕生により人格(パーソナリティー)の構造が変化すること。その意味で自己の新生ともいう。宗教上の価値では、無宗教から信仰へ、ある宗教から別の宗教へ、信仰から無宗教へと心の体制が完全な転回を遂げることである。したがって宗派の改宗も回心を前提とした行為である。回心は一般に、既往の宗教価値への懐疑―新旧両価値の葛藤(かっとう)―新価値による危機克服という過程をとる。発現には漸(ぜん)と急とがあり、一般に苦痛や罪悪感によるものは急激に他力の救済を求めて受動的に発動し、能動的意志の努力による漸進型(たとえば修行による段階的証悟)と対比される。スターバックは回心を青年期の心理生理的特徴としているが、回心はその国の社会や文化とくに神学の影響などによって大きく左右され、かつ個人の生活史によっても異なる主体性の強いものであることに留意するべきである。
[松本晧一]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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回心【かいしん】
仏教では〈えしん〉という。心の根本的な変化,転回によって信仰にはいること,またそれに伴う態度や行動の変化。特に急激な入信の過程をいう場合が多いが,漸次的な場合もある。動機によって衝動的回心と意志的回心とに分かれる。19世紀にはいって宗教心理学はその心理的基礎を解明。スターバックやW.ジェームズなどの業績が著名。
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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回心
えしん
仏教用語。誤った心を改めて仏道に帰依すること。小乗の心を改めて大乗の教えに帰依すること。浄土教では,特に,自力の心を捨てて念仏の教えを信じること。
回心
かいしん
conversio
宗教的意味で,罪人の神への帰還,平凡な生活からキリスト者の生活に転じること,あるいは不信や迷信から真の信仰に改宗することをいう。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の回心の言及
【回心】より
…インド仏教においては同様な宗教体験が〈信解〉〈転依〉などの語によって表現されていたと考えられる。現代語においてはキリスト教的な回心(かいしん)conversionの意味で用いられることが多い。【荒牧 典俊】。…
【改宗】より
…前者は家族や職業などの要請にもとづき,共同生活を円滑に運ぶためにおこなわれる。後者は痛切な人生体験によって自己の属する宗教に疑問をもつことから生ずるもので,いわゆる〈回心〉に基づいてなされることが多い。西欧世界では,カトリックとプロテスタント相互の間で多くみられ,とくにカトリックから他派へ移る場合は棄教,離教,背教などと呼ばれる。…
※「回心」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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