ブルガリア北西部、プレベン県の県都。ドナウ台地に位置する。人口14万9174(2001)。古代のトラキア人集落カイルカKajlukaにさかのぼり、1世紀のローマの宿駅ストルゴシアStorgosiaから発展した。7世紀にアバール人に破壊されたが、9世紀ブルガリア人が再興し、手工業と交易の中心地となった。14世紀末、オスマン帝国の支配下に入ると一時衰退したが、地域の行政・軍事の拠点となり、16世紀にドナウ川の河港ニキュプNiküp(現ブルガリア北部のニコポル)経由の交易が確立されると、大規模な家畜市場が整備され、オスマン軍や地元住民に供給する皮革、靴、羊毛、穀物の交易で栄えた。1877年のロシア・トルコ戦争では、ここで雌雄を決する戦い(プレブナの戦い)が行われた。このとき、ロシア軍に随行した日本軍観戦武官の山沢静吾(やまざわせいご)が初めてブルガリアの地を踏んだ日本人である。戦場はその後、森林公園となった。石油精製や石油化学工業が主産業だが、一帯はブドウ栽培とワイン産業が盛んで、ブルガリアで最初に設立されたワイン醸造学校がある。
[寺島憲治]
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