プロピオン酸系製剤(読み)プロピオンサンケイセイザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 「プロピオン酸系製剤」の解説

プロピオン酸系製剤

製品名
《イブプロフェン製剤》
イブプロフェン(辰巳化学、鶴原製薬、武田テバファーマ、武田薬品工業)
ブルフェン(科研製薬)
《オキサプロジン製剤》
アルボ(大正製薬、大正ファーマ)
《ケトプロフェン製剤》
ケトプロフェン(シオノケミカル、長生堂製薬、日新製薬、日本ジェネリック、ファイザー、富士フイルムファーマ)
《ザルトプロフェン製剤》
ザルトプロフェン(辰巳化学、日医工、陽進堂、日本ジェネリック、富士フイルムファーマ、武田薬品工業、沢井製薬、東和薬品
ソレトン(日本ケミファ)
ペオン(ゼリア新薬工業)
《チアプロフェン酸製剤》
スルガム(サノフィ)
《ナプロキセン製剤》
ナイキサン(ニプロESファーマ)
《プラノプロフェン製剤》
ニフラン(田辺三菱製薬)
プラノプロフェン(東和薬品、日医工、日医工ファーマ、小林化工)
《フルルビプロフェン製剤》
アップノン(コーアイセイ)
フロベン(科研製薬)
《ロキソプロフェンナトリウム製剤》
サンロキソ(三恵薬品)
ロキソニン(第一三共)
ロキソプロフェン(エルメッド、エーザイ)
ロキソプロフェンNa(メディサ新薬、沢井製薬、三和化学研究所、東和薬品、陽進堂、共和クリティケア、日本ジェネリック、富士フイルムファーマ、日新製薬、鶴原製薬、武田テバファーマ、武田薬品工業、小林化工、辰巳化学)
ロキソプロフェンナトリウム(皇漢堂製薬、長生堂製薬日医工、日本ジェネリック、マイラン製薬、ファイザー)
ロキソマリン(武田テバファーマ、武田テバ薬品、武田薬品工業)
ロキフェン(龍角散)
ロキプロナール(寿製薬)

 解熱・鎮痛効果、炎症を抑える効果が強力な薬です。代表的なイブプロフェン製剤は、アスピリンより作用が強力で、効果が現れるのも速く、副作用も少ない薬です。


 ナプロキセン製剤は、鎮痛・解熱・抗炎症作用が強力で効果が長時間続きます。こわばり関節痛痛風捻挫ねんざなどにおだやかに作用します。チアプロフェン酸製剤ザルトプロフェン製剤は、インドメタシンと同じくらい効果が強力で、副作用の胃腸障害が少ない薬です。ロキソプロフェンナトリウム製剤は歯痛に効果があります。


 関節リウマチ関節痛関節炎神経痛神経炎感冒かぜなどの上気道炎気管支炎月経困難症手術後外傷けが)・抜歯後の疼痛とうつう炎症などの治療に使います。


①過敏症状(発疹ほっしんなどのアレルギー症状)、ショックなどが現れることがあります。このような症状が現れたときは使用を止め、必ず医師に報告してください。


 そのほかに、イブプロフェン製剤では、アナフィラキシー、再生不良性貧血、溶血性貧血、無顆粒球症、血小板減少、消化性潰瘍、胃腸出血、潰瘍性大腸炎、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、急性腎障害、間質性肺炎、ネフローゼ症候群無菌性髄膜炎、肝機能障害、黄疸喘息発作が現れることがあります。


 オキサプロジン製剤では、アナフィラキシー、消化性潰瘍、皮膚粘膜眼症候群、急性腎障害が現れることがあります。


 ケトプロフェン製剤では、アナフィラキシー、中毒性表皮壊死融解症、急性腎障害、ネフローゼ症候群が現れることがあります。


 チアプロフェン酸製剤では、消化性潰瘍、胃腸出血、アナフィラキシー、皮膚粘膜眼症候群、喘息発作白血球減少、血小板機能低下が現れることがあります。


 ナプロキセン製剤では、PIE症候群(好酸球性肺炎)、皮膚粘膜眼症候群、胃腸出血、潰瘍、再生不良性貧血、溶血性貧血、無顆粒球症、血小板減少、糸球体腎炎、間質性腎炎、腎乳頭壊死、ネフローゼ症候群、腎障害、表皮水疱症、表皮壊死、多形紅斑、胃腸穿孔、大腸炎、劇症肝炎、聴力障害、視力障害、無菌性髄膜炎、血管炎が現れることがあります。


 プラノプロフェン製剤では、アナフィラキシー、喘息発作、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死症、急性腎障害、ネフローゼ症候群、消化性潰瘍、胃腸出血、肝機能障害、黄疸、間質性肺炎、好酸球性肺炎が現れることがあります。


 フルルビプロフェン製剤では、アナフィラキシー、急性腎障害、ネフローゼ症候群、胃腸出血、再生不良性貧血、喘息発作、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、剥奪性皮膚炎が現れることがあります。


 ロキソプロフェンナトリウム製剤では、アナフィラキシー、無顆粒球症、溶結性貧血、白血球減少、血小板減少、中毒性表皮壊死融解症、、皮膚粘膜眼症候群、急性腎障害、ネフローゼ症候群、間質性腎炎、うっ血性心不全、間質性肺炎、消化管出血、消化管穿孔、小腸・大腸の狭窄閉塞、肝機能障害、黄疸、喘息発作、無菌性髄膜炎、横紋筋融解症が現れることがあります。


 ザルトプロフェン製剤では、アナフィラキシー、急性腎障害、ネフローゼ症候群、肝機能障害、消化性潰瘍、小腸・大腸潰瘍、出血性大腸炎、無顆顆粒症、白血球減少、血小板減少が現れることがあります。


 このような症状が現れたときは使用を止め、必ず医師に報告してください。


②食欲不振、吐き気・嘔吐おうと、胃部不快感、腹痛、下痢、頭痛、ねむけ、めまい、口内炎、口の渇き、むくみなどが現れることがあります。このような症状が現れたときは、医師に相談してください。


①いろいろな剤型があり、症状や病状によって、1日の使用回数、1回の使用量が決められます。通常は、胃腸障害などの副作用を防止するために、食後に服用します。


 坐剤ざざいを使用するときは、1日1回使用の指示を受けた場合は就寝前に、2回の場合は朝の排便後と就寝前に使用するのが原則です。


②多量に使用したり長期間使用すると、血液障害、肝臓・腎臓・心臓に障害が現れることがあるため、かってに増量・減量しないでください。


③消化性潰瘍がある人、重い血液異常、重い肝・腎障害、重い心機能異常、過敏症、消炎鎮痛剤などによる喘息ぜんそく(アスピリン喘息)発作、妊娠後期、そのほかにイブプロフェン製剤では、重い高血圧症、ジドブジン製剤を使用中、ケトプロフェン酸製剤はシプロフロキサシン製剤を使用中に人、フルルビプロフェン製剤では、エノキサシン水和物製剤、ロメフロキサシン製剤、ノルフロキサシン製剤、プルリフロキサシン製剤を使用中の人は、薬の使用ができません。


④妊婦、現在妊娠している可能性のある人、母乳で授乳中の人が使用すると、胎児や乳児に悪影響が出ることがあるので、必ず医師に報告してください。


⑤小児や高齢者は、この薬を使えないことがあります。


⑥この薬を長期間使用するときは、指示された検査は必ず受けてください。


 とくに消化性潰瘍の病歴、血液の異常またはその病歴、肝・腎障害またはその病歴、心機能異常、高血圧症、気管支喘息、クローン病などがある人は、使用にあたり注意が必要です。


⑦この薬の使用中は禁酒を守ってください。


⑧薬によっては、抗凝血剤炭酸リチウム製剤メトトレキサート製剤、利尿剤、抗菌剤などと併用すると、薬の効果が過剰に現れたり、副作用がおこりやすくなったりします。現在使用中の薬があったり、ほかの薬を使用するときは、必ず医師・薬剤師に報告・相談してください。また、フルルビプロフェン酸製剤はエノキサシン水和物製剤、ロメフルキサシン製剤、ノルフロキサシン製剤、プルリフロキサシン製剤と、ケトプロフェン酸製剤はシプロフロキサシン製剤と、イブプロフェン酸製剤はジドブジン製剤との併用はできません。

出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報

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