サリチル酸系解熱鎮痛剤(読み)サリチルサンケイゲネツチンツウザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 「サリチル酸系解熱鎮痛剤」の解説

サリチル酸系解熱鎮痛剤

製品名
《アスピリン製剤》
アスピリン(小堺製薬、日興製薬販売、健栄製薬、日医工、バイエル薬品、マイラン製薬、ファイザー、山善製薬、吉田製薬、丸石製薬、日本ジェネリック、東和薬品
《アスピリン・ダイアルミネート製剤》
イスキア(シオノケミカル)
バファリンA330(ライオン、エーザイ)

 体温調節中枢や神経中枢にはたらきかけて、熱を下げ、痛みをやわらげる効果のある薬で、かぜなどの発熱や、いろいろな痛みをやわらげるために使います。また、この薬は血液を固まりにくくする抗凝血作用ももち、動脈硬化の進行を防ぐ目的で使われることもあります


 感冒かぜ)・急性上気道炎のどの炎症)・関節リウマチリウマチ熱変形性関節症症候性神経痛歯痛などの解熱鎮痛川崎病川崎病による心血管後遺症を含む)などをやわらげるために用いられます。


①過敏症状(発疹ほっしん、むくみなどのアレルギー症状)、ショック、アナフィラキシー、脳出血などの頭蓋内出血、肺出血、消化管出血、鼻・眼底出血、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、剥脱性皮膚炎、再生不良性貧血、血小板減少、白血球減少喘息発作の誘発、肝機能障害・黄疸おうだん消化性潰瘍小腸・大腸潰瘍をおこすことがあります。


 このような症状がおこったときは使用を止め、すぐ医師に相談してください。


耳鳴り、めまい、頭痛、食欲不振、胃の痛み、嘔吐おうと、かゆみ、発汗、血圧低下、血管炎、気管支炎難聴角膜炎胸やけ、便秘、下痢、食道炎などがおこることがあります。このような症状がおこったときは、医師に相談してください。


③血液障害、腎臓じんぞう障害、肝臓障害がおこることがあります。医師から指示された診察や検査は必ず受けるようにしてください。


①粉末や錠剤です。内服剤は食後の服用が原則です。胃腸のじょうぶな人は、食前や空腹時に飲むように医師から指示されることもあります。牛乳やお菓子をとってから服用すると胃腸障害が予防できます。


 かってな判断で中止したり、増量・減量せず、医師の指示通り服用してください。


②あらかじめ、持病や現在使用中の薬の有無を医師に報告し、薬の効果と副作用について医師・薬剤師からよく説明を聞き、注意事項をきちんと守ってください。


 この薬剤またはサリチル酸系製剤に対して過敏症をおこしたことのある人、重い血液の病気、重い腎臓・肝臓・心臓の病気がある人、アスピリン喘息または過去にそれらの病気になったことがある人、出産予定12週以内の妊婦、消化性潰瘍のある人は使用できません。本人または両親・きょうだいにアレルギーなどがある人、気管支喘息のある人、小児、アルコール常飲の人、手術・心臓カテーテル・抜歯前1週間以内の人は、あらかじめその旨を医師に報告してください。


③妊婦・現在妊娠している可能性のある人、母乳で授乳中の人は、あらかじめ医師に報告してください。


④3日以上使用しても解熱しない、いちど解熱した後、また発熱するようなときは医師に相談し、長期間続けて使用しないでください。


⑤高齢者は、副作用が出やすいものです。医師の指示をきちんと守ってください。


⑥インフルエンザや水痘すいとう(みずぼうそう)にかかっている15歳以上の子どもに使用すると、嘔吐、昏睡こんすいなどがおこって生命にかかわることがあります(ライ症候群)。


⑦この薬を使用中にほかの薬を使う必要が生じたときは、医師に相談してください。


 とくに、抗凝血剤血糖降下剤抗血小板剤、血栓溶解剤と併用すると副作用がでたり、この薬や併用薬の作用が増強したり低下することがあります。

出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報

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