プロピライト(読み)ぷろぴらいと(英語表記)propyrite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「プロピライト」の意味・わかりやすい解説

プロピライト
ぷろぴらいと
propyrite

変朽安山岩(へんきゅうあんざんがん)ともいう。主として熱水作用の影響で、構成鉱物が加水変質し、いろいろな含水鉱物を生じた火山岩のうち、とくに安山岩石英安山岩をいう。斜長石絹雲母(きぬうんも)(白雲母)、緑簾(りょくれん)石、曹長(そうちょう)石などに変化し、輝石、角閃(かくせん)石、黒雲母、ガラス質は緑泥石、くさび石方解石などになる。しかし、火山岩の組織は残っていることが多い。なかでも重要な変質産物は、絹雲母、緑泥石、石英であって、そのためプロピライトを生ずる作用は、絹雲母化、緑泥石化、珪(けい)化であるとされている。日本では、プロピライトは第三系中の熱水鉱床の母岩として重要視されている。なお、プロピライトよりも低温の変質作用では、各種の沸石類が生ずるので、プロピライト化地域の外側には沸石帯がある。

[橋本光男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例