プロフェッショナル・スクール

大学事典 の解説

プロフェッショナル・スクール(アメリカ型)

プロフェッショナル・スクールとは,アメリカ合衆国制度化されている専門職を育成する大学院レベルの教育機関のことである。代表的なものにSchool of the Arts and Architecture(芸術と建築学部),School of Dentistry(歯学部)Graduate School of Education and Information Studies(教育と情報学大学院),School of Engineering and Applied Science(工学部),School of Law(ロー・スクール),Graduate School of Management(経営管理学大学院),School of Medicine(メディカル・スクール),School of Veterinary Medicine(獣医学スクール),School of Dental Medicine(デンタル・スクール),School of Nursing(看護学部),School of Public Health(公衆衛生学部),School of Public Policy and Social Research(公共政策学部),School of Theater, Film and Television(演劇・映画・TV学部)などがある。プロフェッショナル・スクールでは法律,医学,企業等の経営者,教師,学校経営者,法制の政策立案者,ケースワーカーなどの実務家(アメリカ)を養成する専門職教育(アメリカ)が実施されている。

 上記のスクールは,大学組織においてはプロフェッショナル・スクールとして位置づけられているが,一方で,そのほとんどが博士課程を併設し研究者を養成している。メディカル・スクールやデンタル・スクール等においては,スクールのおもな目的は臨床医学歯学を通じて専門医,歯科医を養成する点にあるが,研究者養成を主とする生命科学(life science)分野にある博士課程での所定の単位取得を通じて,免疫遺伝,生物学等の博士号授与も同時に行われている。こうしたメディカル・スクールやデンタル・スクールあるいはロー・スクールを除いた,ほかのプロフェッショナル・スクールでは,修士課程プログラムはおもに専門職養成を目指し,博士課程では研究に主眼を置いたプログラムが構築されている。

 プロフェッショナル・スクール修了後の学位は,そこで学んだ成果を示すことを意図して,たとえばMBA(Master of Business Administration),J.D. (Juris Doctor),M.Ed. (Master of Education)など,通常の研究型大学院を修了した際に授与される学位の名称とは異なっている。プロフェッショナル・スクールが授与する学位は,実際に専門職として通用する学位として,産業界や専門職団体からの評価が確立している。ちなみに多くのプロフェッショナル・スクールが授与する最終学位は修士号である。日本においても,2004年にアメリカのプロフェッショナル・スクールを参考に,専門職大学院が制度化された。
著者: 山田礼子

参考文献: 山田礼子『プロフェッショナルスクール―アメリカの専門職養成』玉川大学出版部,1998.

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

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