食品や日用品についている鐘型のマーク(ベルマーク)を集めて、教育設備の充実を支援する社会運動。あるいは、マークそのものをさすことば。僻地(へきち)赴任経験をもつ教諭・渡辺ユキ(1913―2005)の「僻地の子たちの教育設備を充実してほしい」との陳情を受け、朝日新聞社が全国に呼びかけて社の創立80周年事業として1960年(昭和35)に始まった。事務運営はベルマーク教育助成財団(発足時は教育設備助成会)が担っている。運動に協賛する企業が商品につけたベルマークを、幼稚園や学校のPTA、公民館ごとに集めてベルマーク教育助成財団へ送ると、ベルマーク1点が1円に換算されて「ベルマーク預金」となり、その金額内で必要なテレビ、ビデオカメラ、時計、テント、楽器、運動機器などの教育備品の購入に使える。備品は楽器、自転車、事務機器、スポーツ用品などの協力会社の商品から選ばねばならない。購入と同時に、協力会社は購入額の10%をベルマーク教育助成財団へ寄付し、これをプールして僻地、被災地、海外の恵まれない学校へ援助資金として活用する仕組みである。ベルには「国内外のお友達に愛の鐘を鳴り響かせよう」との意味合いがある。
協賛会社には分担金や市場調査費(ベルマーク点数×1.27円)などの負担が生じるが、ベルマーク添付による販促効果に加え、社会貢献活動への参加による企業ブランドやイメージの向上効果が期待できる。また協力会社も備品金額の1割を寄付する必要があるが、教育施設向けに一定の需要が期待できる。参加できるのは幼稚園、小中高等学校、特別支援学校などで、2006年(平成18)からは大学、公民館、生涯学習センターも参加可能になった。個人や企業は参加できない。2000年代に入って、使用済みインクカートリッジの交換や紙パック回収にもマークを付与するようになった。1998年には「ベルマーク預金」を直接、被災地などへ寄付する友愛援助制度を導入した。2017年時点で運動参加校は約2万8000で、2018年3月時点で協賛会社は54社、協力会社は14社。
[矢野 武 2018年8月21日]
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