ベンゾイン(読み)べんぞいん(その他表記)benzoin

翻訳|benzoin

デジタル大辞泉 「ベンゾイン」の意味・読み・例文・類語

ベンゾイン(benzoin)

C6H5CH(OH)COC6H5示性式で表される芳香族化合物無色の柱状結晶亜鉛検出する試薬として用いられる。エタノールアセトンなどに溶けるが、水にはほとんど溶けない。酸化するとベンジルが得られる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベンゾイン」の意味・わかりやすい解説

ベンゾイン
べんぞいん
benzoin

芳香族ケトールの一つで、2-ヒドロキシ-1,2-ジフェニルエタノンの別名をもつ。ベンズアルデヒドのエタノール(エチルアルコール溶液にシアン化ナトリウムを加えて煮沸させると生成する。この反応をベンゾイン縮合という。


 化学式C6H5CH(OH)COC6H5、分子量212.2、融点137.6~138.6℃(ラセミ体)、沸点343~344℃。無色の柱状結晶。アセトン、エタノール、ベンゼンには溶けるが、水にはほとんど溶けない。分析用試薬として亜鉛の検出に用いられる。アロマテラピーなどに使われている安息香もベンゾイン(英名benzoin)とよばれるが、この化合物とは別物である。

[廣田 穰 2016年2月17日]

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改訂新版 世界大百科事典 「ベンゾイン」の意味・わかりやすい解説

ベンゾイン
benzoin

一般式ArCOCH(OH)Ar′(Ar,Ar′はアリール基)で表される化合物の総称で,芳香族アルデヒドArCHOをシアン化アルカリの存在下で加熱すると,縮合反応がおきてベンゾインを生成する。ふつうベンズアルデヒドC6H5CHOから得られるもの(下式参照)をとくにベンゾインという。

白色の結晶。融点137.6~138.6℃。分析用試薬として用いられる。
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化学辞典 第2版 「ベンゾイン」の解説

ベンゾイン
ベンゾイン
benzoin

2-hydroxy-1,2-diphenylethanone.C14H12O2(212.25).C6H5CH(OH)COC6H5.ベンズアルデヒド2分子をシアン化カリウムを用いて付加させてつくる.(±)-ベンゾインは結晶.融点137 ℃,沸点344 ℃,194 ℃(1.6 kPa).エタノールに可溶.(+)-ベンゾインは融点132 ℃.+120.5°(アセトン).アセトン,エタノール,ベンゼンに可溶,水に微溶.フェーリング液を還元し,酸化するとベンジルになる.亜鉛と緑色蛍光を発する錯体をつくるので,その検出などの分析用試薬として用いられる.[CAS 119-53-9]

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