マウス(読み)まうす(英語表記)mouse

翻訳|mouse

デジタル大辞泉 「マウス」の意味・読み・例文・類語

マウス(mouse/〈ドイツ〉Maus)

欧州産ハツカネズミの飼養白変種。医学実験に用いる。
コンピューター入力装置の一。タバコ箱大で、机上を動かすことで画面のカーソルも移動し、上面にあるボタンを押して位置や選択肢を指定・入力する。下面に取り付けられたボールによりマウスの動きを検出する。発光部と受光部を備え、光学的に動きを検出する光学式マウスもある。名称の由来はケーブルを接続した形がネズミに似ているところから。

マウス(mouth)

口。口腔こうこう

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精選版 日本国語大辞典 「マウス」の意味・読み・例文・類語

マウス

  1. 〘 名詞 〙 ( [ドイツ語] Maus [英語] mouse )
  2. なんきんねずみ(南京鼠)」の異名。医学の実験用または愛玩用に飼育される小さなねずみ。原種はハツカネズミ。〔外来語辞典(1914)〕
  3. コンピュータの入力装置の一つ。手のひらに収まる大きさで、机上で動かして画面のカーソルを移動し、ボタンを押して位置や選択肢を指定、入力する。形がねずみに似るところからの名。〔コンピュータとどう付き合うか(1982)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マウス」の意味・わかりやすい解説

マウス(コンピュータ)
まうす
mouse

コンピュータの入力装置の一つ。ポインティングデバイスの一種で、デスクトップパソコンなどを中心に使われている。

 コンピュータ開発の黎明期(れいめいき)ともいえる1960年代、アメリカのダグラス・エンゲルバートDouglas Carl Engelbart(1925―2013)が新たな入力装置として考案。NASAのバックアップもあって1967年に特許出願(取得は1970年)し、翌年には初のマウスを発表した。そのプレゼンテーションを見たゼロックス・パロアルト研究所のアラン・ケイAlan Kay(1940― )が最初のパーソナルコンピュータであるAltoに採用。1980年代に入り、アップルのスティーブ・ジョブズが自らの製品であるLisaに導入。さらに、ヒューレット・パッカード社などのハイエンドワークステーションにも採用された。その後、マイクロソフトのWindows OSも対応、パソコン全般に普及するに至っている。

 マウス本体は手のひらにおさまるほどの大きさで、それを机上などに置いて水平に動かすことで、画面上のポインターが同じ動きをする。本体裏面のボールや赤外線センサーなどで、移動方向と移動量を読み取り、ポインターの動きに反映させている。本体の上部にはボタンがあり、それを押すことをクリックとよぶ。クリックすることでウインドウを選択したり画面上のアイコンを押すなどの作業を行うことができる。開発当初のマウスはボタンを3個備えており、ワークステーションなどのマウスもそのまま3ボタンが採用されたが、アップル社は簡便性を求めて1ボタンにこだわったといわれる。Windows OSでは2ボタンを採用している。さらに、本体を動かさなくてすむトラックボールタイプや、画面を簡単にスクロールできるホイール付き、ボールのかわりに光を使う光学式マウスなども一般的になった。

 細い接続ケーブルが尻尾(しっぽ)のようであり、大きさもネズミ程度だったためマウスとよばれる。赤外線やブルートゥースBlueTooth(無線規格の一種)などを使った無線のマウスも増えてきている。

[編集部]


マウス(動物)
まうす
mouse
[学] Mus musculus domesticus

哺乳(ほにゅう)綱齧歯(げっし)目ネズミ科のハツカネズミの畜用品種。20世紀初頭の欧米において、近親交配で維持されていた愛玩(あいがん)用のアルビノのハツカネズミが腫瘍(しゅよう)の移植実験に使われたのが、実験動物としてのマウスの誕生である。小形で早熟、繁殖も容易で、近親交配によって遺伝的均一性の高い系統が医学・生物学領域の実験用動物として作出された。現在では200系統以上育成されているが、それらのなかには、AKR(リンパ性白血病を高率で発症する)、BALB/c、C3H(乳腺(にゅうせん)腫瘍)、C57BL、KK(真性糖尿病)などの近交系や、ヌードマウス(先天的な胸腺欠損マウスをいう)、筋ジストロフィー発症マウスなどの突然変異系など、疾患モデルとしても重要な系統が多数含まれている。これらのマウスは、系統により異なる特性をもつので、環境が制御された清浄な室内で、遺伝的に統御された動物が維持管理されている。

[土屋公幸]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マウス」の意味・わかりやすい解説

マウス
mouse

コンピュータ上に二次元的な位置情報を示すための入力装置。手のひらに収まる大きさで,しっぽのあるネズミのような形をしているためこの名がある。1968年,アメリカ合衆国の発明家ダグラス・エンゲルバートが発表した。コンピュータに接続して使用する周辺装置の一つで,一般的に表面にはボタンがあり,裏面にはボールが埋め込まれている。手で握って平面上を滑らせると,ボールが転がることで移動方向や移動距離などの情報が入力され,画面上に表示されたカーソルが動く仕組み。キーボードを操作しなくてもメニューやアイコンを選択できるので,入力操作が簡単になる。近年では裏面のボールの代わりに光学センサをもち,反射光を受けて移動内容を検出する光学式マウスが普及している。

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事典 日本の大学ブランド商品 「マウス」の解説

マウス

キャラクター(大学)]
獨協大学(埼玉県草加市)の大学ブランド。
2005(平成17)年、2006(平成18)年「日本におけるドイツ年」のマスコット。大学イメージキャラクター・どく太くんと一緒に、大学のPRを担当した。マウスは、オレンジ色の体に茶色の耳、大きな目が愛らしいネズミ。ドイツのTV教育番組で30年以上前に誕生し、現在でも子どもから大人まで幅広く親しまれている国民的キャラクター。日本では、2005(平成17)年4月からNHK教育テレビで放送され、注目を浴びた。大学におけるドイツ年イベントのPRをはじめ、大学ウェブサイトなどにも登場。オリジナルグッズも製作された。
(注)記載内容は事典編集当時(2010年2月)のものです。内容・価格等はその後に変更になった場合もあります。

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IT用語がわかる辞典 「マウス」の解説

マウス【mouse】

コンピューターの入力装置のひとつ。手に収まるくらいの大きさで、上部にボタン、下部に動きを検出するボールがあり、コンピューターの画面上で任意の位置を指定するために用いる。GUIの操作環境において直感的な操作を可能とする。ボールの代わりにレーザー光などを用いて光学的に動きを検出する光学式マウスや、コンピューターとの接続ケーブルを持たないワイヤレスマウスなどもある。◇形状がネズミに似ていることに由来。

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「マウス」の解説

マウス

パソコンに情報を入力するためのポインティング・デバイスのこと。マウスを動かすことで、画面上に表示されているマウスカーソルを動かし、クリックやドラッグ&ドロップなどの操作でパソコンに情報を伝えるしくみ。マウスの種類には、マウスの底にあるボールの動きでマウスカーソルを動かす機械式マウスと、光センサーでマウスの動きを感知する光学式マウスの2種類がある。また、ケーブルを使ってUSBポートに接続する有線タイプと、無線でパソコンに接続するワイヤレスタイプがある。

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パソコンで困ったときに開く本 「マウス」の解説

マウス

パソコンで最も利用されているポインティング・デバイスです。手のひらに収まる機器をテーブル上で前後左右に動かすと、その方向に画面のポインタが動きます。動きの検知には底面の光センサーを使うものが主流です。
⇨カーソル、ポインタ、
ポインティング・デバイス

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改訂新版 世界大百科事典 「マウス」の意味・わかりやすい解説

マウス
mouse

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栄養・生化学辞典 「マウス」の解説

マウス

 [Mus musculus].ハツカネズミともいう.ネズミ科のハツカネズミ属のネズミ.動物実験に広く用いられている.

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とっさの日本語便利帳 「マウス」の解説

マウス

パソコンの画面上で位置を指定するために使う機器。もともと、開発時にねずみに似た外観であったため。

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