ボンヘッファー(読み)ぼんへっふぁー(英語表記)Dietrich Bonhoeffer

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボンヘッファー」の意味・わかりやすい解説

ボンヘッファー
ぼんへっふぁー
Dietrich Bonhoeffer
(1906―1945)

ドイツのプロテスタント牧師、神学者。2月4日、精神病理学教授の子としてブレスラウブロツワフ)に生まれる。チュービンゲン、ベルリン両大学で学び、ニューヨークのユニオン神学校に留学、帰国後、ベルリン大学私講師、学生牧師、世界教会協議会役員などを歴任した。1935年から反ナチの告白教会に参加、第二次世界大戦中は抵抗運動に加わって、ドイツ陸軍の一部将校によるヒトラー暗殺計画(7月20日事件)に参画、1943年4月5日に逮捕され、終戦直前の1945年4月9日に処刑された。獄中で多くの書簡遺稿を残した。戦後親友のE・ベートケEberhard Bethge(1909―2000)の編集により『抵抗と信従』『倫理学』など重要な遺稿が刊行され、今日も大きな影響を与えている。

[小川圭治 2018年1月19日]

『大宮溥・国谷純一郎・森平太他訳『ボンヘッファー選集』全9巻(1962~1968・新教出版社)』『ディートリヒ・ボンヘッファー著、森野善右衛門訳『共に生きる生活』(1975/改訳新版・2004/ハンディ版・2014・新教出版社)』『E・ベートケ著、村上伸他訳『ボンヘッファー伝』全4巻(1973~1974/オンデマンド版・2005・新教出版社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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