マグナグラエキア(その他表記)Magna Graecia

改訂新版 世界大百科事典 「マグナグラエキア」の意味・わかりやすい解説

マグナ・グラエキア
Magna Graecia

ラテン語南イタリア古代ギリシア植民市全体を指す名称で,〈大ギリシア〉の意。キュメ(クマエ)が最古で,ヘラクレイアが最後に建設(前432)された都市。肥沃な土地と周辺異民族やギリシア本土との通商で繁栄するが,都市間の対立もあって政治的に不安定であった。さらに異民族やシチリア僭主との抗争マラリアなどから前400年ころより衰退し始め,ローマの保護を求める都市が出てきた。ピュロス戦争,ポエニ戦争でその崩壊は決定的となった。
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百科事典マイペディア 「マグナグラエキア」の意味・わかりやすい解説

マグナ・グラエキア

大ギリシアの意で,南イタリアの古代ギリシア人植民市群をさす。前8世紀以来植民市建設が進み,キュメ(クマエ),シュバリスタラスタレントゥム)等は有名。イタリアにおけるギリシア文化中心だったが,前3世紀末までにはほとんどローマの支配下に入り,ポエニ戦争などで荒廃
→関連項目タレントゥム

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マグナグラエキア」の意味・わかりやすい解説

マグナ・グラエキア
まぐなぐらえきあ
Magna Graecia ラテン語

多数のギリシア植民市が建設された南イタリアの古代における呼称。「大ギリシア」の意。ギリシア語ではメガレ・ヘラスMegale Hellasといった。紀元前750年ごろのキメ(ラテン語名はクマエ)をはじめ、ギリシア人の植民市が多数建設され、農業と商業で栄え、ここに開花したギリシア文化は、エトルリア人やローマ人にも大きな影響を与えた。前4世紀から衰退が始まり、前3世紀なかばまでにローマの支配下に入った。

[清永昭次]

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「マグナグラエキア」の解説

マグナ・グラエキア
Magna Graecia

ラテン語で「大ギリシア」の意。南イタリアのギリシア植民市群をさす。前3世紀末にはタレントゥム1市を残し,すべてローマの版図に入った。

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旺文社世界史事典 三訂版 「マグナグラエキア」の解説

マグナ−グラエキア
Magna Graecia

南イタリアにあった古代ギリシアの植民地の総称
ラテン語で「大ギリシア」の意で,ギリシア文化をローマに移すのに大きな役割を果たしたが,前270年ローマに征服された。

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世界大百科事典(旧版)内のマグナグラエキアの言及

【イタリア】より

…牛vitulusをトーテムとする部族の名に由来するという説があるが,さだかではない。南イタリアに植民地マグナ・グラエキアを築いたギリシア人がこの名を最初に用いたといわれる。本来はイタリア半島南部のごく一部をさす名称であったが,しだいにその範囲が拡大した。…

※「マグナグラエキア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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