ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マッタ」の意味・わかりやすい解説
マッタ
Matta, Roberto
[没]2002.11.23. イタリア,チビタベッキア
チリ生まれの画家。フルネーム Roberto Antonio Sebastian Matta Echaurren。裕福な家庭に生まれ,1931年にサンチアゴのカトリック大学で建築学の学位を取得,2年後に渡欧,1930年代半ばにはパリのル・コルビュジエの建築事務所に勤めた。アンドレ・ブルトンらと知り合い,シュルレアリスム運動に傾倒,1939年にニューヨークに移って絵画を描き始めた。1940年代には抽象表現主義の画家に大きな影響を与えたが,1948年にヨーロッパに戻る。左翼主義者だったため 1950年代にはアメリカ合衆国政府から危険人物とみなされ,また,1973年のピノチェト・ウガルテ軍事政権発足後は祖国チリでも歓迎されなかった。1956年にパリの国際連合教育科学文化機関 UNESCO本部の壁画『三つの世界の疑念』を制作。1957年にニューヨーク近代美術館 MOMA,1985年にパリのジョルジュ・ポンピドー国立芸術文化センターで回顧展を開いた。
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