日本大百科全書(ニッポニカ) 「マネシエ」の意味・わかりやすい解説
マネシエ
まねしえ
Alfred Manessier
(1911―1993)
フランスの画家。ソンム県サン・カンに生まれる。アミアンの美術学校に学んだのち、パリに出てエコール・デ・ボザールで建築を学ぶかたわら、ルーブル美術館で模写に励む。1933年からサロン・デ・ザンデパンダンに出品。35年アカデミー・ランソンでビッシェールと出会い、ル・モル、マーティンらとグループを結成。瞑想(めいそう)によって得た宗教的感情を純粋な抽象絵画によって表現。45年以降、国内外の若いフランス画家の展覧会に出品、パリの抽象画壇の代表的存在となった。また、絵画のほか、フランス各地の教会に抽象的ステンドグラスを制作した。53年のサン・パウロ・ビエンナーレ、62年のベネチア・ビエンナーレでそれぞれ大賞を受賞。代表作に『いばらの冠』(1950・パリ国立近代美術館)、『受難(パッション)』(1955)などがある。
[徳江庸行]