マプート(読み)まぷーと(英語表記)Maputo

翻訳|Maputo

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マプート」の意味・わかりやすい解説

マプート
まぷーと
Maputo

アフリカ南東部、モザンビークの首都。同国南部、インド洋に面するデラゴア湾の北岸に位置する港湾都市である。旧称ロレンソ・マルケスLourenço Marques。人口98万9386(1997センサス)、106万2700(2001推計)。1502年、ポルトガルの航海者バスコ・ダ・ガマの船隊の指揮官A・ド・カンポが到達、44年同地を探検したポルトガルの商人ロレンソ・マルケスの名をとって命名された。同年要塞(ようさい)が建てられ、奴隷と象牙(ぞうげ)の積み出しのためポルトガル船がたびたび訪れた。1721~32年には一時オランダが占領したが、マラリア蔓延(まんえん)したため放棄し、81年ポルトガルが改めて総督を派遣して軍事基地を建設した。その後ポルトガル本国からの植民が進み、1907年ポルトガル領東アフリカの首都となった。また、19世紀末にヨハネスバーグ南アフリカ共和国)との間に鉄道が開通し、トランスバール地方の金の積み出しと鉱山に必要な物資の輸入港として栄えた。町は港の西側に位置し、モザンビークの行政中心地としての機能を果たすとともに、セメントビールたばこ製靴などの工業が発達し、精油所も建設されて同国の産業の中心地となっている。大学、博物館、動植物園など文化施設も整っている。ラテン風の雰囲気をもつ市街海水浴場があり、独立以前は南アフリカ共和国などからの観光客でにぎわった。1975年モザンビークが独立すると、市名をマプートに改称した。

[林 晃史]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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