日本大百科全書(ニッポニカ) 「マメコガネ」の意味・わかりやすい解説
マメコガネ
まめこがね / 豆金亀子
Japanese beetle
[学] Popillia japonica
昆虫綱甲虫目コガネムシ科に属する昆虫。日本各地に産する害虫で、1916年ごろ北アメリカに侵入し、数年の間にニューヨークからペンシルベニアへと分布を拡大し、大発生して農作物に大害を与えた。その後、さらに各地に広がり農業上の大害虫となった。英名はこのような事情からつけられたものである。体長約1センチメートルの卵形の甲虫。黒色で銅緑色の光沢があり、ときに赤銅色を帯び、上ばねは褐色で縦溝が並び、周縁が緑色に光り、尾節板には一対の白い毛の紋がある。成虫は5~10月にみられ、昼間活動しダイズ、ブドウ、クリをはじめ多種の植物の葉を害するが、夜間灯火にはこない。幼虫は土中にすむジムシで、シバや苗木などの根を食害し、成育には1、2年かかる。アメリカで大害が出た当時、アメリカ政府は横浜に調査所を設置して日本国内での天敵を探し、マメコガネツチバチなどを発見、アメリカに移入して駆除に利用した。
[中根猛彦]