マリアナ海溝(読み)まりあなかいこう(英語表記)Mariana trench

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マリアナ海溝」の意味・わかりやすい解説

マリアナ海溝
まりあなかいこう
Mariana trench

太平洋西部マリアナ諸島の東沖に南東に大きく弧状に張り出し連なっている海溝。長さ約2550キロメートル、幅は平均70キロメートルであるが、広い部分では150キロメートルを超える。全域にわたり水深が6000メートル以上あり、とくに南西部が深く、地球上の最深所(2004年時点)であるチャレンジャー海淵(かいえん)やビチャージ海淵もこの部分にある。最深部は1万0920メートル(北緯11度19分、東経142度15分)。プレートテクトニクスの面からみると、太平洋プレートとフィリピン海プレートとの間の沈み込み帯subduction zoneに位置している。また北太平洋西部に連なる千島、日本、小笠原(おがさわら)各海溝の延長上にあり、これらとともに一連の沈み込み帯を形成している。そのため、近年、マリアナ海溝は海洋地球物理学、とくにプレートテクトニクスの研究対象として大きく取り上げられている。なお、1960年J・ピカールとドン・ウォルシュDon Walsh(1931―2023)とがトリエステ号でチャレンジャー海淵の潜水に成功している。

[半澤正男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マリアナ海溝」の意味・わかりやすい解説

マリアナ海溝
マリアナかいこう
Mariana Trench

太平洋の北西部,マリアナ諸島東側で,北側伊豆-小笠原海溝に連なってその南方延長上に弧状に横たわる海溝。幅 70~150km,長さ 2550kmに及び,水深 6000m以上。今日知られている世界最深点のチャレンジャー海淵(1万1034m)がある。

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