ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マリ帝国」の意味・わかりやすい解説
マリ帝国
マリていこく
Mali empire
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西アフリカ内陸部、ニジェール川湾曲部を中心に、12世紀ごろ建設されたマリンケ人の帝国。伝承によれば、紀元後数世紀に建設され繁栄したガーナ帝国の支配下にあったマリは、ガーナ帝国の勢力の衰退につれてトンブクトゥを中心に台頭した。スンディアタ王のもと、西はガンビア、東はニジェール川沿岸のガオ、北はサハラ南縁のサハラを越えてくるアラブ人隊商の基地、南はニジェール川上流のバンブフ、ブレの金鉱まで、広大な地域を支配下に収め、ガーナ帝国にかわってサハラ縦断交易を独占することになった。1324年ムサ王は、メッカ巡礼を行ったが、その際彼が携行した巨額の金(きん)によって、マリ王国の名はヨーロッパにまで知れ渡った。しかし、15世紀初頭から相次ぐ内乱でしだいに勢力が衰え、16世紀までにはこの地域の覇権は、ソンガイ帝国の手に移った。
[原口武彦]
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