マーダバ(読み)まーだば(英語表記)Mādhava

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マーダバ」の意味・わかりやすい解説

マーダバ
まーだば
Mādhava

生没年不詳。1350年ころの、インド、ビジャヤナガル王朝の哲人宰相。多くの著作のなかでも『全哲学綱要』は諸哲学の通観的研究としてとくに名高い。この書では、自らの立場、不二一元論(ふにいちげんろん)派ベーダーンタ哲学を究極に、そしてこれともっとも対照的な思想である唯物論を対極に置き、その他の14の思想体系を両極との親疎関係に従って配列、各体系をそれぞれの典籍に基づいて客観的に叙述している。ベーダ注釈者として有名なサーヤナSāyana(?―1387)とは兄弟であるとされる。

[倉田治夫 2018年5月21日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マーダバ」の意味・わかりやすい解説

マーダバ
Mādhava

14世紀頃のインドの哲学者。『サルバ・ダルシャナ・サングラハ』の著者。不二一元論に属していたが,著書にはサーンキヤ説の影響が著しくみられる。ほかミーマーンサーに関する "Jaiminīyan āyamālāvistara",ベーダーンタに関する "Pacadaśī"がある。

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