スペイン統治下のペルーにおける原住民労働力割当制度。交代制の有償強制労働で,メキシコのレパルティミエントに対応する。インカ国家の傭役制に範をとり,副王トレド(在任1569-81)により制度化された。吏員,特殊技能者を除く原住民の成年男子全員が,一度に総数の7分の1ずつ1~2ヵ月交代でかり出され,スペイン人の小麦農園,ブドウ園,オブラヘ,精糖場などで働いた。中央アンデスの人口中心地からやや南へはずれたポトシ銀山のためには,特別の〈鉱山ミタ〉が地域を特定して徴せられ,賃金はいくらか高いが交代期間は10~12ヵ月,仕事は過酷で死亡率も高く最も恐れられた。しばしば見られた労働者の酷使虐待は別として,大量の人口移動,スペイン人との直接の接触は原住民社会に甚大な影響を及ぼした。労働者の徴発と分配は地方官コレヒドールの管轄下にあったが,その権限濫用ははなはだしかった。ミタは植民地時代を通じて存続した。
執筆者:高橋 均
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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