みつろう(読み)ミツロウ(英語表記)bees wax

化学辞典 第2版 「みつろう」の解説

みつろう
ミツロウ
beeswax

ミツバチの巣を加熱圧搾,煮取り,抽出すると得られるろう.粗ろうは黄~帯褐黄色だが,精製脱色したものは淡黄色または白色.融点は62~66 ℃.エーテルクロロホルムなどに可溶.主成分ミリシルアルコールパルミチン酸セロチン酸などのエステルで,このほかにセロチン酸などの遊離脂肪酸を含んでいる.光沢剤,パラフィン紙,化粧品,模型などに用いられる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「みつろう」の意味・わかりやすい解説

みつろう
みつろう / 蜜蝋
bees wax

ミツバチの巣から蜂蜜(はちみつ)をとった残渣(ざんさ)より、加温圧搾法あるいは溶剤抽出法によって得られるろう。暗赤色または暗褐色に着色しているから、日光漂白などによって脱色する。融点61~65℃。ヨウ素価5~14、けん化価80~103。主成分はパルミチン酸ミリシル(エステルの一種)で23%程度。エステルを70%、遊離脂肪酸を15%、遊離アルコールを1%、炭化水素を10%程度含む。つや出し料などに使用される。

[福住一雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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