改訂新版 世界大百科事典 「博物志」の意味・わかりやすい解説 博物志 (はくぶつし)Bó wù zhì 中国,晋の張華が著した,中国および諸外国の事物を雑記した書物。晋の張華が著し,北魏の常景らの刪定(さんてい)を経て,現行の10巻本ができたとされる。地理上の知識から各地の物産,めずらしい動植物,あるいは歴史上の人物の故事等を分類して記録する。その中には古代神話の材料も多く,古代学研究に貴重な材料を提供する。例えば七夕伝説は本書を初見とする。ただ字句の誤脱がはなはだしいので利用にあたっては困難が多い。執筆者:勝村 哲也 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「博物志」の意味・わかりやすい解説 博物志はくぶつしBo-wu-zhi 中国の奇聞,伝説集。西晋の張華の著。 10巻。神仙や異常な人間,動植物についての記録を主とし,民間伝説などが交る。張華は神秘的な逸話がいくつかあるほど博学で,本書はその知識を駆使して珍しい話を書き記したもの。王嘉の『拾遺記』によれば,もとは 400巻あったものを,武帝から内容が疑わしいとして削除を命じられて 10巻になったという。ただ,六朝から唐にかけての書に『博物志』として引用された文章で現行の『博物志』に記載されていないものがしばしばあり,また,話が断片的なものが多いところから,原本は一度失われ,現行本は後人が他書に引用されたものを集めたものと考えられる。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by