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みつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説


みつ

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デジタル大辞泉の解説

みち【蜜】

みつ(蜜)」に同じ。
「ひとつには―、ひとつには甘葛(あまづら)入れて」〈宇津保・蔵開上〉

みつ【蜜】

植物が分泌する甘味のある液。「花の
蜂蜜(はちみつ)のこと。
糖蜜(とうみつ)のこと。

みつ【蜜】[漢字項目]

常用漢字] [音]ミツ(呉)
はちみつ。甘い液汁。「蜜腺(みつせん)蜜蜂(みつばち)蜜蝋(みつろう)餡蜜(あんみつ)花蜜糖蜜水蜜桃
はちみつのように甘い。「蜜月蜜語
[難読]蜜柑(みかん)

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栄養・生化学辞典の解説

 糖蜜.粗糖の精製過程で得られるものなどがある.

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大辞林 第三版の解説

みち【蜜】

みつ(蜜)」に同じ。 「金の甕かめ二つに、一つには-、一つには甘葛あまづら入れて/宇津保 蔵開上

みつ【蜜】

ミツバチがつくる甘い液。はちみつ。
植物の分泌する甘い液。 「花の-」
砂糖や飴あめからつくる甘い液。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


みつ

甘味のある粘稠(ねんちゅう)性の強い液体の総称。一般には蜂(はち)が花蜜からつくりだす蜂蜜や、砂糖を煮溶かしたシロップをいう。シロップは砂糖蜜、あるいは単に糖蜜ともよばれる。なお、糖蜜という語は通常では、砂糖を精製するときに残液として得られる不純物のことで、モラセス、廃糖蜜ともよび、一部はシロップとしても利用される。また、ブドウ糖に異性化酵素を作用させ、ブドウ糖の一部を果糖化して濃縮した異性化糖液のシロップもある。このほか、カエデ(メープル)の樹液を濃縮してつくったメープルシロップや、さらに、砂糖液にアラビアガムを加えたガムシロップ、香りをつけたフルーツシロップ、コーヒーシロップなど各種のシロップがある。
 蜜はホットケーキにかけたり、アイスティーやアイスコーヒーなどの冷たい飲料の甘味料としてよく用いられる。料理ではシロップ煮を蜜煮ともよび、キンカンの蜜煮、クリの蜜煮などがある。シロップ漬けも蜜漬けとよぶことがある。[河野友美・大滝 緑]

歴史

「蜜」に訓がないことからわかるとおり、近代養蜂(ようほう)の生産量が増えて蜂蜜(はちみつ)が食料品化するまでの日本では、蜂蜜は身近な存在ではなかった。「蜜」は「蜜柑(みかん)」のように単に強い甘味を意味したにすぎず、砂糖からつくる糖蜜と混同したのも当然だった。蜂蜜のおもな用途は、甘味料よりも、漢方の他の薬品と混ぜる緩和・強壮剤であり、また、ろうそく、整髪剤などの原料にした蜜蝋(みつろう)が蜂蜜採集の主目的だった。
 雑食性食肉目とともに、霊長目にも蜂蜜を食べる動物がいるから、非常に早い時点から人間が蜂蜜を採集してきたことを想像するのは困難ではない。採集狩猟物が獲得食糧の数割を占める原始農耕文化に至るまでは、偶然に発見する蜂蜜を自給的に利用する程度にとどまることが多かった。蜂蜜採集を重要視する民族誌上の文化は、経済活動の民族的分化のみられる地域に多く、周囲の大人口農耕・牧畜民との交易物資の一つに蜂蜜を用いる、特殊化した小人口の採集狩猟民の文化であることが多い。中央部、東部および南東部アフリカには、簡単な巣箱をかけて野生蜂を集めて採集する蜂蜜と、蜂蜜からつくる蜜酒を重要視する文化がみられ、とくに蜂蜜を婚資に使うマサイ人に蜂蜜を供給するケニアのオキーク(ドロボ)人では、鳥が巣をみつける習性を利用して採集した大量の蜂蜜を交易用とするとともに、自給する蜜酒を祖霊交信儀礼の幻覚剤に用いる蜂蜜の文化がみられる。
 もっとも早く都市の成立した西アジアでも、古代から蜂蜜を重要視し、蜜酒原料、甘味料、滋養剤、交易品、ときには遺体保存剤として用いた。養蜂を始めたこの地域を中心として、東ヨーロッパから南アジアに至る広大な地域には古代から蜂蜜に特別な位置を与える文化伝統が続き、現在でもとくに婚礼時の蜂蜜の使用に呪術(じゅじゅつ)的意味を考える民族が少なくない。ユダヤ教、キリスト教の伝統では、神のことば、神意にかなった人物の形容に他の甘味料(とくにブドウの糖分)を含む蜜相当語を用い、あるいは約束の地の形容に蜜と牛乳を組み合わせるが、巨視的には前記のユーラシアの文化伝統の一部を形成するとみるべきである。中国でも蜜酒および飲料の原料、漢方医薬などの利用方法は知られているが、仏教説話で蜜を一時的快楽の比喩(ひゆ)に用いて、真の悟りを妨げるものとしたことにみられるとおり、蜂蜜を神聖視する文化伝統は存在しない。日本の蜂蜜の文化もこの東アジアの伝統の延長である。第二次世界大戦後の日本では砂糖の取引が統制されたので、統制外の自給甘味料だった蜂蜜の需要が一時的に拡大した。[佐々木明]
『原淳著『ハチミツの話』(1988・六興出版) ▽渡辺孝著『ハチミツの百科』新装版(2003・真珠書院) ▽清水美智子著『はちみつ物語――食文化と料理法』(2003・真珠書院)』

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