蠟紙waxed paperともいう。原紙の重量に対し20~40%量のパラフィンワックスまたはマイクロクリスタリンワックス(微晶蠟)を主とした塗布剤を,グラシン紙(化学パルプを高度に叩解(こうかい)した半透明の包装紙)または模造紙に塗ったり,しみ込ませて作る半透明の紙。薄手の紙は塗布量が少ないのでロールコート法で塗るが,紙コップなどはスプレーコート法などで多量のワックスを塗る。パラフィンによって紙の空隙がふさがれ,撥水性(はつすいせい)も生じるので,機械類の包装,食料品の包装や容器などに用いる。マイクロクリスタリンワックスはパラフィンワックスに比べ耐脂性が高く,昇温による品質劣化が起こりにくく,これを用いたパラフィン紙による容器は折目防湿がかなり改善されている。
執筆者:臼田 誠人
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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