ミトラダテス1世(その他表記)Mithradates Ⅰ

山川 世界史小辞典 改訂新版 「ミトラダテス1世」の解説

ミトラダテス1世(ミトラダテスいっせい)
Mithradates Ⅰ

(在位前171頃~前138頃)

パルティア王国の第6代王でこの王国の事実上の確立者。東方へはバクトリア王国領に侵攻する一方で,西方ではセレウコス朝と戦ってメディアを奪い,ついで前141年にはバビロニアに侵入してセレウキア占領した。初めてパルティア独自の貨幣を発行したが,そこに「フィルヘレネ(ギリシアを愛す)」という銘を刻させたほど,ギリシア文化の愛好者であった。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミトラダテス1世」の意味・わかりやすい解説

ミトラダテス1世
ミトラダテスいっせい
Mithradatēs I

[生]?
[没]前138/前137
古代イラン,アルサケス朝パルティア帝国の王 (在位前 171頃~138/7) 。セレウコス朝より,メディア,バクトリア,エリュマイスなどを奪い,前 142/1年にはバビロニアを占領。セレウコス朝の王デメトリオス2世はバビロニアの奪還を試みたが,敗れて捕われた。しかしミトラダテスは彼を厚遇して娘を与えた。

ミトラダテス1世
ミトラダテスいっせい
Mithradatēs(Mithridatēs) I

古代ポントス王国の王。ミトリダテスとも呼ばれる。王位継承順位に史料上の問題があり,2世とも数えられる。キオス僭主 (在位前 336/7~前 302) でペルシア系貴族。ダレイオス1世の血をひくと称した。アンチゴノス1世により処刑された。

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